●「俺はもっとかっこよくなる、小栗旬さんみたいになる」

――ここからは富園さんご自身とハイスクールチルドレンのことをお聞きしたいです。まず気になるのが、プロフィールに書かれている「17歳のときに上京してお芝居を勉強していた」という一文。何がきっかけで高校の卒業を待たずして上京することにしたんですか?

学生時代に好きな子がいたんですけど……。芸能界に憧れていた子だったのでまったく僕自身に興味を持ってもらえなくて、見返すために俳優になろうと思って上京しました。

――なるほど……。なかなかの行動力ですね。

「俺はもっとかっこよくなる、小栗旬さんみたいになる」と。上京してからは一人暮らしをしながら養成所に通って、いろいろなオーディションを受けていました。

――『キミモテ』オーディションも、役者になれるチャンスだと挑戦されたわけですね。声優という仕事にはいつ頃から興味を持っていましたか?

中学3年の頃に『進撃の巨人』や『ソードアート・オンライン』を見て「うわ、アニメってこんなにすごいんだ……!」「エレンになってみたい!」と思って、そのときから声優をやってみたいなという気持ちはありました。

――あ、それで富園さんの紹介テロップがあんなことに。オーディション番組中盤まで「梶裕貴の大ファン」とだけ書かれていましたよね(笑)。

確かに(笑)。ずっと「かっけぇ!」って思っていたんです。

――オーディションの最終審査は合宿形式で10日間ひたすらロッジを作るという内容で、表現力を問われる場面がほとんどありませんでしたが、それまでの段階で演技や歌の審査は……?

ありました、ありました(笑)。でも確か審査内容が直前まで知らされていなかったので、「歌唱審査!?」ってびっくりした記憶が。ふふふ(笑)。僕は「366日」を歌ったんですけど、すごく緊張しました。

●自分自身でメンバーを選んだ気の合うグループ

――毎日「同じグループで一緒にやっていきたい人」を投票し、最下位となった参加者が一人ずつ脱落していく。そんな見ていて胃が痛くなるような最終審査を経て、ハイスクールチルドレンが結成されました。

自分自身で選んだメンバーなので、やっぱり気が合いますね。

――合格後すぐに始まったという5人での共同生活はいかがでしょう?

寂しくないですし、苦手だった幽霊とか暗いところが苦手じゃなくなりました。あと、喧嘩っていう喧嘩もなくて、たまにちょっとした言い合いが起こるぐらいなんです。リビングが散らかされて汚くなっているとそれは少しイラっとするんですけど(笑)、とても居心地がいいなとは思います。

――確か、高橋さんが掃除担当っていう……。

あ、掃除担当です。そこをしっかりカバーしてくれるのが奎仁くんで。きれいになってますよ、次の日には。

――ありがたいですね。せっかくなのでまだ名前が出てきていないメンバーのお話もいただきたいんですが、最年長の田淵さんは?

累生くんは最初、『キミモテ』で言うと駿さんみたいなかっこいい憧れの存在だったんですけど、すごい独特というか。だんだんいろいろな面が見えてきました。昨日もふたりでいたら「クレープ食べようよ!」って言い出して、お店のほうにばーっと行っちゃったんですよ。それで顔くっしゃくしゃにしてニヤけながら食べてて(笑)。そういうところは年上でかっこいいのにかわいいなって。

――末っ子の石橋さんについては。

弘毅はすごく弟感があって、寝転んでいると体の上に頭を乗せてきたり、「今日ご飯食べに行きましょうよ」ってご飯に誘ってきたり、甘えん坊でかわいいですね。100人いたら100人が「弟にしたい」って言うと思います。

――『キミモテ』挿入歌の「愛の鎖」がハイスクールチルドレンのデビュー曲となりましたが、レコーディングはいかがでしたか?

二組に分かれてのレコーディングで、僕は累生くんとブースに入ったんです。サビは「盛り上げるぞ!」「いくぞ!」という気持ちで目を合わせながら一緒に歌って、とても楽しかったですね。

――ミュージックビデオのダンスについてもぜひ。Dance Shot ver.が公開されたとき、1番Aメロでの富園さんの腹チラと、サビ前でやっている鎖ダンスに衝撃を受けたんです(笑)。

へへへっ(笑)。ソロパートは自分でアレンジすることになったんですけど、「ノーノーノーノー」というフレーズに色気を感じたので、腹チラを入れようと思って。いろんな僕を見せていきたいので、キレも意識しながら、ずっと鏡の前で見せ方を研究していました。

――昨年末の初舞台(『DRAMAtical Murder』)やVOYZ BOYでの活動でも、キレッキレでしたし体の軸がしっかりしている印象があって。そのあたりはスポーツ経験が生きているんでしょうか。

野球とかテニスとか、スポーツはいろいろやってたんですけど、……あ、空手! 空手ですかね? その経験は関係していると思います。

●役のためだったら裸にもなるし何だってする、それぐらいの気持ちで

――オーディション合格から1年半ほど経ちましたが、役者としての目標は?

上京したときからずっと僕の芯になっているのは、「日本一の映画俳優になる」という目標です。気持ちがブレそうになってもその思いが僕を支えてくれていて。役のためだったら裸にもなるし何だってする、それぐらいの気持ちでお芝居をやっていきたいです。

――声優として演じてみたいキャラクターはありますか?

声のお仕事では、本当に松岡禎丞さんが憧れで。(『Re:ゼロから始める異世界生活』の)ペテルギウス・ロマネコンティみたいな狂気を持ったキャラクターや、かっこいいキャラクターを演じてみたいなと思っています。あとは耳元でささやくセリフとか……。ダミーヘッドマイクを使ってみたいんですよ。

――かなり具体的な夢が(笑)。ぜひそこを目指してこれからも頑張りましょう。ハイスクールチルドレンとしてはどんなグループになりたいですか?

「こいつら何でもできるよな」って思われるグループになりたいですね。

――13日に公開された映画『貴族降臨 -PRINCE OF LEGEND-』の話になるんですが、先月その完成披露試写会&ファンミーティングに出演されていたじゃないですか。

緊張を通り越して舞い上がるぐらい、お客さんの熱量や歓声に感動しっぱなしの楽しいイベントでしたね。もうほんっとにすごかったです。

――代々木第一体育館という大きな会場でしたが、「いつか5人であれぐらいのステージに立ちたい」というような。

はい。リハーサルのときにも会場を見渡して「ハイチルで立ちたい!」って考えてました。

――その日を楽しみにしています! 最後に、ファンの方に向けてメッセージをお願いします。

『キミモテ』は僕の声優としての第一歩の作品。1回は観てほしいなと思うので、まだ観ていない方はもちろん、すでに観た方ももう一度観ていただいて、キュンとしてもらえたら嬉しいです。僕自身としては、これからいろんな僕を見ていただきたいなと思っているので、よろしくお願いします!

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