新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、各自治体で進められている小中高・特別支援学校の一斉休校。対応に追われている共働きのママ・パパも多いのではないでしょうか。

さまざまな策を尽くした結果、子どもがいながらの在宅勤務を余儀なくされた場合、どのように仕事をしていったらいいのか。ワーママが9割以上を占めるフリーランスのコミュニティ「ナラティブベース」のメンバーで、小学4年生のお子さんをお持ちの我妻あかねさんに聞きました。

  • 新型コロナで子連れ在宅勤務になったら - フリーランスママたちに聞く乗り切り方(Photo by CoWomen on Unsplash)

前提として「子どもがいたら仕事には集中できない」

――メンバーの皆さんの中にも、小学生のお子さんをお持ちの方はいらっしゃると思います。この状況をどのように受け止めていらっしゃいますか?

今回のことは、感染拡大防止のためにやむを得ない措置ではあると思います。そして、出勤しないと回らないお仕事をされている方のことを考えると、在宅勤務ができることはありがたいなとも思っています。

ただ、在宅勤務であっても「子どもがいたらとても仕事には集中できません」というのは、前提として知っておいていただきたいです。

小学校が休みになると、子どももストレスがたまると思うんですよね。感染拡大防止のために、お友達と外で遊ぶのも控えてほしいとなった場合、ストレスがたまった子どもたちを家に閉じ込めておくのは、親にとっても苦しいことです。

そして、ストレスがたまった子どもを抱えて、「在宅勤務が適用されるから仕事もできるでしょ」って言われるママ・パパたちがいるとしたら、どうなってしまうんだろうと心配です。

  • お話を伺ったナラティブベースの我妻あかねさん

子連れ在宅勤務を乗り切るコツは?

――それでも、子どもをみながらの在宅勤務をせざるを得ない場合、どんな工夫をしたらよいでしょうか?

小学生のお子さんをお持ちのナラティブベースのメンバーには、学童保育を利用したり、時には子どもが家にいる中で仕事をしたりと、工夫しながら働いている方がいらっしゃいます。

そんなメンバーに、子連れ在宅勤務の乗り切り方を聞いてみました。

■話しかけてはダメな時間を事前に子どもに伝えておく

会議の時間や、どうしても集中しなければならない仕事がある場合、あらかじめ子どもに伝えておくことで、心づもりをしてもらうと良いそうです。

■子どもにミッションを与える

本を借りてきて与えたり、おつかいに行かせたり、食器洗いなどのお手伝いを任せたり、"遊び"として捉えられるようにミッションを与え、子どもが集中しているすきに仕事を進めることもあるそうです。

■お仕事ごっこをする

書斎ではなく、食卓のテーブルで、お子さんと並んでノートパソコンを広げてみたり、「●●ちゃんの1週間のToDoリストを作ってください」など、業務を与えたりすると、お仕事ごっこをしているようで楽しめるお子さんもいるそうです。

■リビングにホワイトボードを設置する

延々とお絵描きができ、子どもが遊びに集中してくれるので、そのすきに仕事をするという方もいました。

■子どもの相手をする時間をスケジュールに入れる

親が仕事に集中し、子どもの相手ができないことは、精神的につらいもの。親が会社に行ってしまい目の前にいなければ子どもも納得できますが、目の前に親がいるのに相手をしてくれないとなると、親子ともに苦しいと思います。

これは私も意識していることですが、子どもと向き合う時間を短時間でもスケジュールの中に入れておくことで、精神的に少しラクになりますよ。

  • 全員リモートで働いているナラティブベースメンバーの皆さん

コミュニケーションのコツは「深読みしない」

――子連れであるなしに関わらず、新型コロナウイルスの影響で、急遽リモートワークをすることになった社会人の方も多いと思います。リモートワークをうまく進めるためのコツがあれば教えてください

まず、出勤するほどでなくてもいいので、外に出られるくらいの服装には着替えた方がいいです。在宅勤務を始めたばかりの頃、パジャマのまま顔も洗わず仕事をしたことがあったのですが、やっぱりスイッチが切り替わりませんでした。

あとは、長時間労働になりやすいので、仕事を始める前に、どこまで仕事をやるか、何時に終わらせるか決めておくといいでしょう。

それから、できれば仕事用の机と椅子は用意した方がいいです。長い間リビングの椅子などで作業していると、腰を痛めがちなので。

――職場とのコミュニケーションにも工夫が必要そうですね

リモートでのコミュニケーションは誤解が生じやすいんですよね。例えば、「これいつまでできる?」と上司に聞かれただけで、「もしかして、仕事が遅いと思われているのかな」と思ってしまったりします。だから、「深読みしない」のは大事です。もらった言葉をストレートに受け止めるよう、意識できるといいのではないでしょうか。

また、リアルだと隣にいるだけで「困っているな」「忙しそう」「調子が悪そう」といった相手の様子が分かるのですが、リモートだとそれが難しくなります。

「家族で具合の悪い人が出た」「今業務があふれそうになっている」「少し体調が悪い」など、ささいなことでも、仕事に影響が出る前に、積極的に職場に開示できるといいですね。相手もリモートワークなのであれば「小さなことでも自分から発信してね」と伝えておくと相手も言いやすくなるのではないでしょうか。

リモートワークに対しての正しい理解が広がってほしい

――周囲のサポートも大切になってきますね

もちろん、こちら側の工夫も最大限できるといいのですが、例えば職場やお仕事先の方には、オンラインのミーティングで子どもが乱入してもOKなどの、理解があるとうれしいなと思います。

子どもがいる中でのリモートワークでは、仕事と生活をしっかりと線引きすることが難しいです。生活と融合する中で仕事をせざるを得ないことは、理解してもらえるといいなと思います。

また、子どもがいながらリモートワークをする場合に、仕事の生産性を上げるのは難しいと思います。今回の件でリモートワークは広がっていくと思いますが、この特殊な事態をもって「やっぱりリモートワークを導入すると生産性が落ちるから推進するのはやめよう」という風潮にはならないでほしいなと思います。


ナラティブベースの代表・江頭春可さんもnoteで「リモートワークでも生産性を落とさないコミュニケーション 5つのコツ」を紹介されています。

経験者の声を参考に、この大変な事態を協力し合いながら、乗り切っていけるといいですね。