こんな店が欲しかった! 韓国から来たチキンの使者「bb.q オリーブチキンカフェ」

韓国でもフライドチキンがもてはやされていることを、皆さんはご存知だろうか。筆者は知らなかった。韓国では、骨付きのフライドチキンを1羽分頼み、ビール(メクチュ)と一緒にワイワイ楽しむ「チメク」(チキン&メクチュの略)が人気なのだという。日本でも新宿辺りの韓国料理店へ行くと各店にチキンがあるが、しかし、これが気軽には楽しめない。ハーフ(半羽分)で頼んでも、かなりな量のフライドチキンが出て来て、3~4人で行かないと食べ切れないのだ。そんな「興味はあるけど挑戦しづらい」難点をみごとに解消したのが、この『bb.q OLIVE CHICKEN cafe』(ビービーキューオリーブチキンカフェ)である。

  • ビービーキューオリーブチキンカフェのオリーブチキン

    「オリーブチキン」1ピース290円(税込)。国内産の骨付きチキンを、スペイン産のエキストラバージンオリーブオイルとソイオイルをブレンドした特製フライオイルで揚げている

世界25カ国に2,500店、韓国内だけでも1,800店を展開する韓国No.1フライドチキンチェーン「bb.q CHICKEN」の日本版で、日本向けの独自ブランドとして、ワタミが韓国の本部とともに共同開発した。2016年12月に東京の大鳥居に1号店をオープンし、現在は都内に2店舗を展開している。冒頭挙げたような居酒屋的な楽しみ方でなく、カジュアルなカフェスタイルに変化させたのが大きな特徴だ。

  • ビービーキューオリーブチキンカフェのヤンニョムチキンライス

    「ヤンニョムチキンライス」690円(税込)。十六穀米のライスの上に、国産鶏のささみ肉のフライ3本と、韓国で定番のヤンニョムソース。サラダには和風しょうがドレッシング。付け合わせにラディッシュピクルス

メニューを見ると、1ピースから買える骨付きチキンやチキンフィンガー、コンボなどがまずあり、さらに、チキンサンド、ライス、サラダが4品ずつ並ぶ。これらは、韓国本国にはない日本独自のメニューだ。いずれもポテトやドリンクとのセットで税込680~880円というお手ごろ価格。量も多過ぎず、ちょっとずついろんなメニューを足したり試したりできる「小ポーション」なのが、また魅力である。

  • ビービーキューオリーブチキンカフェのオリーブチキンバーガー

    「オリーブチキンバーガー」390円(税込)。ドリンクポテトセットは780円(税込)。レモネードは店内で生搾りしたレモンを使用。ポテトも生のジャガイモを店でカットして揚げている

「オリーブチキンバーガー」は国内産ささみ肉のフライ約70gを挟んだチキンサンドイッチ。スペインはカタルーニャ地方産のエキストラバージンオリーブオイルとソイオイルをブレンドした特製オイルで揚げている。波状にカールした衣の「ガリガリ」が特徴的。挟むバンズは北海道産小麦100%、濃厚豆乳を使った天然酵母"豆乳"バンズで、底にはマヨネーズが塗ってある。ささみ肉の素直な味にハニーマスタードソースのライトな甘味がたっぷり絡み、野菜も3種がにぎやかに挟まって、390円にして充実したサンドに仕上がっている。

自慢のオリーブチキンをサンドイッチやごはんもの、サラダなどにアレンジして提供する。そんな今までなかったタイプの、ファストカジュアルなフライドチキン専門店の登場である。パーティーフードとしてのチキンではなく、時に食事として、時にサラダとして、日常的に使えるレンジの広さに新しさを感じる。

  • ビービーキューオリーブチキンカフェの国内1号店

    2016年12月にオープンした東京・大鳥居の国内1号店。店内は33席。持ち帰りだけでなく、イートインでもゆっくり楽しめる

実は、ワタミがモデルにしているのは米国No.1のチキンチェーン「Chick-Fil-A」だ。韓国の高い技術力をベースに、米国的なスタイルも取り入れ、新たなチキン業態の開発に力を注いでいる。春には国内3店目がオープン予定だ。

このように、米国のチキンブームは、徐々にではあるが確実に、日本国内にも変化をもたらしている。これまで、ハンバーガーの代わりのオプション的な位置付けだったチキンサンドに対する評価と期待は、今後大きく変わっていくことだろう。