2月22日にNHKのBSプレミアムで放送される特集ドラマ『ファーストラヴ』(21:00~22:59)の試写会が5日、東京・渋谷の同局で行われ、真木よう子、上白石萌歌が出席した。

NHK BSプレミアムのドラマ『ファーストラヴ』の試写会に出席した上白石萌歌、真木よう子(左から)

NHK BSプレミアム『ファーストラヴ』の試写会に出席した上白石萌歌、真木よう子(左から)

第159回直木賞を受賞した島本理生の同名小説をドラマ化した同ドラマ。父親を殺した女子大生の環菜(上白石萌歌)のルポを書くために、彼女と向き合うことになった公認心理師の由紀(真木よう子)が、真相を探る中で環菜と家族のゆがんだ親子関係を知ることになる。2人のやり取りを中心に繊細な女性心理を描写しながら、目に見えづらい心の闇を臨床心理の視点から紐解く原作の世界観を丁寧に描く。

自身も過去に家族との問題を抱えていたという真木は「今回は、脚本をいただいた時に女性としてこの役をやってみたいと思いました」といい、「やはりとても苦しいシーンはあるんだろうとは分かってはいたんですが、過去の自分に聞いてみたら共感できたんです。性的虐待を受けた訳ではありませんが、女性であれば全員どこかで必ず共感できる物語でした。女性を次のステップへ導かせるような役だったので、挑戦したいと思いました」とその理由を明かした。

真木が演じる由紀にゆがんだ家族関係など真実を知られることになる環菜役の上白石は、真木とは対称的に原作を読んでから収録に臨んだという。「こんなにもページをめくりながらやるせなさで涙が出てきた役はありませんでした。本当にこの作品を撮っている間はこの子を救いたいという一心で役と向き合っていた気がします。自分とも向き合っていた時間だったので、良い時間だったと思います」と充実した様子だった。

2人の絡みが同ドラマの見どころの一つとなっている。上白石と共演して感じた点を真木が「環菜は心に傷を負っていて、難しい役だと思ったので、どの現場でも心がけてはいるんですが、相手にカメラが向いている時でも全力でお芝居しました。ただ、白石さんは割と頑張れと言わなくてもきちんと役に入っていたというか、見ていて安定したお芝居をしていた記憶があります。こっちが本当の気持ちでぶつかると返してくれて、役者としての信頼感がありましたね」と褒めると、上白石は「真木さんの目に助けられました。真木さんじゃなければ出来なかったことだし、生まれなかった感情だったというのはありますね。感謝しています」と真木に感謝しきりだった。