阪神電気鉄道は21日、ダイヤ改正を2020年3月14日に実施すると発表した。近鉄奈良線から直通する土休日の快速急行が阪神本線を8両編成で走行するほか、平日・土休日の朝夕時間帯に快速急行の増発・運転区間延長などが実施される。

  • 神戸三宮行の快速急行。ダイヤ改正後、土休日の快速急行は芦屋駅を終日通過となる

2009(平成21)年の阪神なんば線開業、近鉄奈良線との相互直通運転開始に合わせて登場した快速急行は現在、おもに近鉄奈良~神戸三宮間で運転され、このうち阪神本線の尼崎~神戸三宮間は6両編成で運転されている。

ダイヤ改正後、土休日の快速急行は一部列車を除き、阪神本線を8両編成で運転。連結開放作業の取りやめ等によって所要時分が短縮され、近鉄奈良~神戸三宮間は現行の最速79分から最速76分(3分短縮)となる。平均所要時分は神戸三宮駅から近鉄奈良駅まで80分(6分短縮)、近鉄奈良駅から神戸三宮駅まで82分(1分短縮)とされた。

  • 土休日の快速急行が8両編成化され、途中駅での連結解放作業の取りやめ等により、近鉄奈良~神戸三宮間の所要時分が短縮される

快速急行の停車駅も一部変更される。現在、尼崎~神戸三宮間において、途中の甲子園駅、西宮駅、芦屋駅、魚崎駅に全列車停車となっているが、芦屋駅はホームの両端に踏切道があり、現状ではホーム延伸が困難との理由で、土休日は終日通過(平日は従来通り停車)となる。平日の快速急行が全列車通過となっている今津駅では、ダイヤ改正に合わせ、平日10~16時台(武庫川駅停車と同時間帯)に快速急行が停車する。

快速急行の運転時間帯も拡大される。平日は神戸三宮駅6時51分発の大和西大寺行(大阪難波~大和西大寺間は準急)、甲子園駅7時0分発の神戸三宮行、神戸三宮駅21時33分発の近鉄奈良行(大阪難波~近鉄奈良間は普通)を増発。土休日は神戸三宮駅20時56分発の近鉄奈良行、神戸三宮駅21時20分発の近鉄奈良行、近鉄奈良駅19時56分発の神戸三宮行を増発する。平日朝ラッシュ時間帯の増発で輸送力・速達性の向上と混雑平準化、夜間時間帯の増発で利便性・輸送力向上とプロ野球等の催物開催時の混雑緩和を図る。

  • 平日の快速急行は朝ラッシュ時間帯に2本、夜間時間帯に1本を増発

  • 土休日の快速急行は夜間時間帯に計3本を増発

  • 今津駅では平日の昼間時間帯にも快速急行が停車する

阪神本線ではその他、平日朝ラッシュ時間帯に運転している上り普通を御影駅で区間特急と接続させて乗換え利便性の向上を図り、西宮発の上り急行2本を青木発の区間急行に変更して大阪梅田方面の混雑平準化を図る。平日・土休日の深夜時間帯には、下り普通1本を現行の西宮行から石屋川行として運転区間を延長。西宮~石屋川間の運転間隔を現行の12~21分間隔から10~15分間隔に短縮する。

なお、阪神電気鉄道と相互直通運転を行う山陽電気鉄道も2020年3月14日にダイヤ改正を行う予定。これにともない、阪急電鉄も同日に神戸線のダイヤを一部変更する。駅によって1分前後の発着時刻の変更が生じるとのこと。