全勝の藤井聡太七段を1敗の3人が追う展開

1月14日に東西の将棋会館で順位戦C級1組8回戦(主催:朝日新聞社・毎日新聞社)が行われました。ここまでただ一人全勝の藤井聡太七段はこの日竜王戦就位式に出席のため、対局が延期に。本日16日に小林裕士七段との一戦に臨んでいます。

7回戦終了時に1敗で藤井七段を追走していたのは、佐々木勇気七段、及川拓馬六段、佐藤和俊七段、石井健太郎五段の4人。佐々木七段は西尾明七段に、及川六段は千葉幸生七段に、石井五段は高崎一生六段にそれぞれ勝利し、1敗をキープ。佐藤七段は片上大輔七段に敗れ昇級レースからほぼ脱落となってしまいました。

以下が藤井七段の対局を除く、8回戦終了時点での上位の成績です。(かっこ内数字は順位)

7勝0敗:藤井聡太七段(3)
7勝1敗:佐々木勇気七段(14)、及川拓馬六段(32)、石井健太郎五段(34)
6勝2敗:都成竜馬六段(20)、高野秀行六段(30)、佐藤和俊七段(33)

C級1組の昇級枠は2つ。仮に今日の対局に藤井七段が敗れても、順位の関係で依然1番手です。自力昇級が可能なのは2番手の佐々木七段まで。及川六段以下はキャンセル待ちの状況です。2敗最上位の都成六段は順位が藤井七段、佐々木七段よりも低いため、どちらかが3敗しないとチャンスが巡ってきません。実質的には昇級争いは1敗までの4人に絞られたとみていいでしょう。

現在2番手を走る佐々木七段は1994年8月生まれの25歳で、2010年10月に四段昇段。奨励会時代からその才能が注目されていました。13歳で三段リーグ入りを果たし、中学生棋士誕生が期待されましたが、惜しくも1期間に合わず。それでも16歳1か月でのデビューは当時5番目の早さでした(その後藤井七段が史上最速、14歳2か月でプロ入りしたため、現在は6番目の記録です)。

デビュー後は2013年に第3期加古川青流戦で棋戦初優勝。現在竜王戦では2組に在籍しており、さらなる活躍が期待される若手棋士です。また、17年度の第45回将棋大賞では自身が考案した「横歩取り勇気流」で升田幸三賞を受賞。作戦家としても知られています。

また、佐々木七段といえば、デビュー後負けなしの29連勝中の藤井七段に初めて黒星を付けたことでも有名。その藤井七段とそろってB級2組に昇級できるのか、それとも他力の棋士がチャンスをつかむことができるのか。9回戦は2月4日に、最終戦の10回戦は3月3日に行われます。

藤井聡太七段に公式戦で初めて勝ったのが佐々木勇気七段。写真はその対局のもの