これまでほとんどケンカもせず、コンビ解消を考えたこともないという2人に、互いの魅力を聞いてみると、さーやは「低いけど通る本当にいい声をしてて、ツッコミのための声なんじゃないかと思うくらい。それから先輩芸人さんにも好かれるので、飲み会とか外交的な役割をやってもらって助かってます。あと、男女コンビにとって大事なことなんですが、女遊びを全然しない。めっちゃ遊んでたら見られ方がだいぶ違うと思います」とニシダを称賛。

そのニシダは「月並みな言葉ですけど、やっぱ一番おもろいと思ってます」とクールに話し、さーやが「ダウンタウンさんみたいじゃん(笑)」と謙そんすると、「でもずっとそれは思ってますね。それが組んでる理由でもあるし」とリスペクトの気持ちを語ってくれた。

そんな2人に、互いへの“恋愛感情”というベタな質問をぶつけると、「本当にいやらしいくらいビジネスパートナーで(笑)。利害が一致してるだけです」(さーや)、「仲は悪くないですけど、そういうのはないです(笑)」(ニシダ)と即答した。

ちなみに、コンビ名の由来は、フランスの天文学者、ジェローム・ラランドが発見して、その名前を付けられた星から。2014年に結成したが、16年に映画『ラ・ラ・ランド』が大ヒットしてしまい、「エゴサができなくなっちゃったんです。『すごい面白かった』っていう感想はだいたい映画のこと言ってるし、『オチがちょっとなあ…』っていうツイートを見てヒヤッとすると映画で良かったって(笑)」(さーや)、「たまに『感動した』っていう感想が、俺らのことだったっていうのもあります。映画じゃないんかい!って(笑)」(ニシダ)。

■将来的には芸人に軸足を

今回の『M-1』は、惜しくもストレートでの決勝進出を逃したが、まだ敗者復活戦(ABCテレビ・テレビ朝日系で22日13:55~生放送)が残っている。2人にとってこれが初めてのテレビ出演で、和牛、ミキ、アインシュタイン、カミナリ、四千頭身、トム・ブラウンといった決勝経験者や売れっ子芸人の強豪と争うことになるが、さーやは「気持ちを切り替えて頑張りたいと思います」、ニシダは「決勝に上がれるかどうかは考えずに臨もうと思います」と意気込みを語った。

アマチュア唯一の準決勝進出ということで、すでに注目を集めているが、気になる今後について聞くと、ニシダは「大学生だからよく分かんないです(笑)」と、さーやの意向に従う方針。

そのさーやは「まだ奨学金の返済もありますし、親孝行もしたいし、会社員と芸人を両立できる世の中になってきているので、今のところはどっちも頑張るという感じです。ただ、プロ一本でできる環境になったら、芸人に軸足を置きたいという気持ちはすごくあります」と意欲を示した。

●ラランド
上智大学のお笑いサークルSCSで2014年に結成。『NOROSHI2018』など、数々の学生漫才大会で受賞し、『M-1グランプリ』は16年と17年に2回戦進出、18年はさーやの仕事のため欠席し、今年準決勝まで勝ち進んだ。1月1日(午前0:30~)放送の日本テレビ系『おもしろ荘』への出演も決定した。
ボケのさーやは、95年生まれ、東京都出身。憧れの芸人は、マヂカルラブリー、天竺鼠、ジャルジャル。
ツッコミのニシダは、94年生まれ、山口県出身。憧れの芸人は、南海キャンディーズの山里亮太。