――いよいよ12月21日から公開される『仮面ライダー 令和ザ・ファースト・ジェネレーション』のお話にまいりたいと思います。映画の舞台は『ジオウ』テレビシリーズ最終回の"その後"の世界であり、『仮面ライダーゼロワン』の飛電或人(演:高橋文哉)たちが存在する世界でもあるんですね。

台本の冒頭を読んだとき「ああ、そうなるよな」って思いましたね。『ジオウ』は「時間」をテーマにした作品ですから、テレビシリーズでは何度も「歴史改変」が起きたり、人間の「記憶消失」や「記憶復活」があったりしました。だから最終回を撮り終えたときからスピンオフなり、映画なりにストーリーがつながっていく予感がしていましたね。

――ゲイツは『ゼロワン』のキャラクターとどのように接していくのでしょうか。

ゲイツ、ツクヨミ、ウォズは滅(演:砂川脩弥)と迅(演:中川大輔)と戦うシーンがあります。あと、或人やイズ(演:鶴嶋乃愛)と一緒のところも撮っています。主に『ゼロワン』チームとしっかり絡むのはソウゴだけで、ゲイツは今回「ソウゴの相棒ポジション」であることを意識して演じました。

昨年の冬映画『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER』では先輩の『仮面ライダービルド』キャストのみなさんが僕たち『ジオウ』チームをサポートしてくださり、すごく心強かったんです。あのとき「1年後、僕らもあんな風になれたらいいね」と壮と話していたのを思い出しながら、撮影に取り組みました。

或人役の高橋くんは、バトンタッチイベントで初めて会ったときから真面目でいい人だなという印象があり、映画の撮影でも真摯な姿勢でお芝居をしている様子を見ていました。そういった彼らの一生懸命さを感じながら、一緒に良い作品が作れたらいいなと思いましたね。

――押田さんが映画の撮影でもっとも印象に残った出来事とは何でしょう?

変身前のゲイツがツクヨミやウォズと一緒にアクションをしたことですね! 『ジオウ』って、素面でのアクションシーンがほとんどなかったんですよ。戦う相手が人間の力を超えすぎていて、変身しないと戦うことができませんから。今回アクションができる、というのをずっと楽しみにしていましたし、本番でも概ねイメージしたとおりにこなすことができたと思っています。

――特にここを観てほしい、というアクションはありますか。

滅との決戦シーンですね。刀を持っている相手と素手で戦わないといけないので、間合いの取り方がとても難しかったんです。苦労して撮ったシーンなので、2人がカッコよく映っていたらいいなと(笑)。アクション監督の渡辺淳さんは年齢も近くて、僕たちが好きなゲームやマンガに通じるアクションや、カット割りを使われるんです。だから撮っていても「そうそう、コレコレ!」みたいに思えるほど、カッコいい感覚が共通していて、とても楽しかったですね。

――杉原輝昭監督の演出についてはどんなご感想を持たれましたか。

杉原さんは熱い監督でした。やはり世代が近いため、監督の言っていることが理解しやすかったんです。意見が違ったときも「わかります。つまりこういうことですね。そっちのほうにしましょう」という風に納得できる説明をしてくれますし、こちらから演技の相談がしやすかったです。杉原監督はアギト編(第31、32話)しかテレビシリーズを担当されていなかったんですが、映画を撮っているとき「もうちょっと『ジオウ』をやりたかったよ」なんて話してくれました。

――今後、押田さんが取り組んでみたい役柄には、どんなものがありますか?

『ジオウ』のオーディションのときも話したことなんですが、将来的には「石田三成」を演じてみたいんです。今回の映画で飛電其雄を演じている山本耕史さんがNHK大河ドラマ『真田丸』(2016年)で三成を演じられたのを観て、なんてカッコいい武将なんだと感銘を受けました。

時代劇および「侍」が大好きなので、夏の映画『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』で戦国の甲冑を着けて、刀を持って、カツラ姿になった時はすごくテンションが上がりました。戦国時代に限らず、幕末の動乱期で活躍した人物や、太平洋戦争で戦った兵士たちがどのような生き方をしたのかを、演技で表現したいと思っています。

――映画公開を楽しみにしているゲイツファンに向け、ひとことメッセージをお願いします。

今回の映画では、普通の高校生になったゲイツやソウゴが、かつての記憶を呼び戻してふたたび仮面ライダーになる道を歩みます。この設定って「一旦仮面ライダーの世界から離れてしまうけれど、それでも自分たちは仮面ライダーなんだ」という僕たち『ジオウ』チームの心情を表しているんじゃないかと思うんです。令和最初のライダーであるゼロワンが、すべての「平成仮面ライダー」から"思い"を託される映画を、思いっきり楽しんでください。そしてファンのみなさんには『ジオウ』をはじめとするひとつひとつの作品のことを忘れずに、これからも「仮面ライダー」を応援し続けてほしいです。

「ゼロワン/ジオウ」製作委員会 (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映