――ここでテレビシリーズの出演が決まったときのお話に移りたいと思います。滅は『仮面ライダーゼロワン』でいわゆる"悪役"のポジションとなりますが、砂川さんはそれまでに悪役を演じられた経験はありましたか?

以前、俳優グループ「イケ家!」で舞台に出演したとき「魔王」の役をやったことがあるんです。「我が魔王」ほど強くはありませんでしたが(笑)。その舞台はギャグ要素が強かったものですから、本格的なワル、冷酷な役を演じるのは滅が初めてかもしれませんね。

――こうやってお話をうかがっていると、ふだんの砂川さんはとても気さくで明るい雰囲気があり、寡黙かつ冷酷な滅とはかなり印象が違いますね。

性格は真逆なのかもしれないです。僕は寂しがり屋なので、常にだれかと一緒にワイワイやっているほうが好きですし。

――そんな真逆の性格をしている滅は、砂川さんにとって演じやすいキャラですか? それとも演じにくいですか?

どちらとも言えませんが、けっこう役を作りこんで演じているのは確かです。最初は自分の普段の感覚と「逆」の方向に行けばいいのかなと思っていましたが、いざ演じてみるとなかなか難しいですね。でも、滅の衣裳を着ると、気持ちが引き締まって役に入り込むことができます。誰が見ても「イイ奴」には見えませんからね(笑)。この衣装で、頭にバンダナを巻くと滅になりきりますから「俺は強い。人類滅亡」と思い込むようにしています。

衣裳といえば、僕はSNSでファンの方たちが滅や迅のイラストを描いてくださるのを観るのが楽しみなのですが、よく「滅の衣装はパーツが複雑で、描くのが難しい」みたいなことが書いてあるんですよ。『ゼロワン』の製作発表会見の席で、中川くんが「この衣装カッコいいでしょう」と言って背中を向いて、衣裳の後ろを見せたでしょう。だから「ああ、僕も同じように後ろを向いて、衣裳をちゃんと見せておけばよかったかな~」なんて思っています。今回、お写真撮っていただくときはぜひ背中のほうも撮っておいてください。そして、イラストを描いてくださる方の参考になればうれしいです(笑)。

――大きく、意志の強そうな「目」の力が砂川さんの大きな魅力のひとつだと思いますが、「ヒューマギア」である滅を演じるにあたって、どんなことを意識されていますか?

イズを演じる鶴嶋乃愛さんと同じく、できるだけ「まばたき」をしないよう努めています。まばたきをすると人間っぽくなってしまいますからね。あと、できるだけ「動かない」でいること。動きではなく固定された「形」で物事を表現するのを強く意識しています。

――セリフについてはいかがですか? ふだんの砂川さんは滅よりも高めの声で話されていますから、滅のときはトーンを落としているのでしょうか。

第1、2話のときに杉原監督から、滅のキャラクターの作り方、しゃべり方についてアドバイスを受け、今のような形になりました。おっしゃるとおり地声が高めなので、けっこう苦労して低くしゃべろうとしています。でもときどき、ノドの調子が悪かったりすると、ふいに高い声が出てしまうので注意しています。

――9月に放送が始まってからはや3か月が経ちました。ご家族やお友だちから「観たよ」というご連絡が入ったりしますか?

それはもう。僕が『ゼロワン』に出演したことで一番喜んでくれたのは家族でしたね。僕には年上のイトコがいて、彼は歴代の「仮面ライダー」をずっと観てきている大ファンだったんです。毎回放送が終わると、メールで感想を送ってくれたり、滅や迅のコスプレ写真を送ってきたり(笑)。親しい友人からもよく連絡をもらいます。そんなとき、みんな『ゼロワン』観てくれているんだなあってうれしくなりますね。

――コンビを組まれている迅役の中川さんとのチームワークはいかがでしょうか。

中川くんとはいつも一緒にいて、とても仲良くしています。最初のころはちょっと年下で、ふつうに仲良く接していたのですが、台本に「お前(迅)は俺(滅)の息子だ」というセリフがあるのを見つけた瞬間、僕の中で"父性"のような思いが芽生えてきて、迅がそれまでよりもかわいく思えるようになりました(笑)。

――映画での滅、迅の活躍がとても楽しみです。それでは最後に、滅亡迅雷.netのファンのみなさんへひと言メッセージをお願いします。

滅亡迅雷.net、滅と迅を応援してくださる方がたくさんいらっしゃって、うれしいです。こんどの映画にも2人のカッコいいシーンがありますので、楽しみにしてください! あと、SNSでファンの方たちが描いてくれるイラストを見るのが大好きなので、かわいい滅、カッコいい滅など、これからもたくさん描いてください。そのときは「#砂川脩弥」をつけてくださると見つけやすくなるので、ぜひお願いします(笑)。

「ゼロワン/ジオウ」製作委員会 (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映