高額な年会費が必要、インビテーションがないと手に入らないなど、世の中のごく一部の層しか持つことができない高級クレジットカード。そんな高級クレカの持ち主が、夜な夜な集う会が存在するという。
一体どんな人たちが参加しているのだろうか。庶民の代表として、筆者が潜入取材してきた。
ワインとフードの極上ペアリングが楽しめる「ソーシャルアワー」
筆者が訪れたのは、2016年にアメリカから上陸し、新富裕層から支持を得ているという「ラグジュアリーカード」の会員限定イベント「ソーシャルアワー」。トップソムリエ厳選のワインとフィンガーフードを楽しめる、会員からも好評の優待サービスで、ラグジュアリーなホテルを会場に、都内では月4回、大阪では全ての平日に催されている。
ラグジュアリーカードには「チタンカード」(年会費5万円)、「ブラックカード」(同10万円)、「ゴールドカード」(同20万円)の3種類があるが、このイベントに参加できるのは、「ブラックカード」と「ゴールドカード」の持ち主のみ※1。セレブ中のセレブが集まるというわけだ。
この日の会場は、フォーシーズンズホテル丸の内 東京の7階に位置する「MOTIF RESTAURANT & BAR」。東京駅・丸の内のパノラマビューが堪能できる席へと案内され、早速、非日常の世界へと誘われる。
受付では、2つのコインとワインリストが手渡されるのだが、1つ目のコインはシャンパン、2つ目のコインはワインと交換できるシステム。早速1杯目のシャンパンで乾杯だ。
ひとしきり場の雰囲気に慣れてくる頃には、2杯目の赤ワインと、フィンガーフードが登場。立食ではなく、温かいフードが席までサーブされるというのも、贅沢な気分にさせてくれる。
実はこのイベント、参加費は2,000円なのだが、例えばゴールド会員向けに出されるワインは、グラス1杯1万円以上するそう。とってもお得な優待でもあるのだ。
そういえば、ワインリストには産地や味わい、作り手の経歴や熟成期間など、細かい情報がぎっしり。こういったワインの知識は、ビジネス上の雑談で重宝するのだという。
ラグジュアリーカードの持ち主ってどんな人?
ソーシャルアワーは、参加者同士が交流できるのも魅力の1つとのことで、早速隣の席に座っていた紳士に話しかけてみた。
「高級クレカは他にも何枚か持っているんですが、このカードは還元率以上に、ソーシャルアワーのような特別な体験ができるのが魅力なんですよね」。
そう話してくれたのは、36歳の経営者。お子さんを預け、夫婦2人水入らずの時間を過ごしに訪れたそうだ※2。仕事にまい進するだけでなく、奥様とのデートの時間も大切にされる、こんな非の打ちどころのない男性がこの日本にもいるのかと、感嘆するばかりである。
聞くとこの男性、もともとはサラリーマンであったが、副業でやっていたWebサイトの運営で成功し、独立されたそう。ラグジュアリーカードの会員には、こういった若手の経営者も多いのだとか。
一方、隣の男性と熱心に話し込んでいた女性は、コンサルティング会社の経営者。ラグジュアリーカードの中でも最上位、「ゴールドカード」の持ち主だった。
「24金コーティングのカードを眺めていると、これまでがんばってきて良かったと思えるのよね」(※3)。
もともとは自身で事業を運営していたが、周囲の経営者から求められるがままに、経営のアドバイスをしていたところ、いつの間にかコンサルティング業を手掛けていたのだという。
こうしたキラキラした生活を手に入れるには、やはり相当の努力が必要なのだろうなぁと感慨深い気持ちになる。
そして、部屋の奥には若くてイケメンの男性2人。ドキドキしながら声を掛けてみると、34歳という若さで映像関係の会社を経営している紳士だった。隣に座っていたのはご友人で、俳優業をされているという。
経営者の男性は、1年くらい前から事業が軌道に乗り始めたのを機に、経費管理のことも考え、ポイント還元率の高さが魅力の法人カードを持つに至ったそうだ。社員には家族カードを持たせ、一緒にソーシャルアワーに参加したり、数ある優待を自由に使ってもらったりしているという。
社員思いでご友人を大切にされる、優しくリッチでイケメンの彼……さぞかし女性にモテるのかと思いきや、「彼女募集中」なのだという。
「仕事が忙しくて出会いがないんですよね。好きな女性のタイプですか……? 最近よく分からなくなってきて、迷走中です。今日はそのことを、友人に相談していたくらいで(笑)」。
彼女に立候補したい女性はごまんといるだろうが、こんなに完ぺきそうに見える人にも、意外な悩みがあるのだなぁ。
いつかは持ちたい、高級クレカ
ラグジュアリーカード保有者の平均年収は2,000万円。約3人に1人が港区、渋谷区、世田谷区に住んでいるというリッチな層だが、個人年収でみると数百万円から数億円と幅がある。
同社によればホルダーの6割以上が経営者である一方、フリーランスや、サラリーマンと副業のパラレルワーカーなど、ワークスタイルもさまざま。年収にとらわれず、自身のライフスタイルに合わせてカードを持つ人が増えてきているそうだ。
この日お話しさせていただいた方も、もとはサラリーマンだったり、若くして会社を大きくされた方だったりと、決して我々から見て遠すぎる存在ではない。現カードホルダーの背中を追って、日々精進していきたいと感じた夜だった。
※1/年会費は税別。大阪のみ、チタンカード会員も参加可能
※2/同伴者は1名まで入場可能
※3/ラグジュアリーカードは金属製、ゴールドカードは24金コーティング