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――そんなお二人にとって、芸人としての転機と言える出来事が、2014年のキングオブコント優勝だと思うのですが、改めて振り返ると、その後のお二人にどんな変化をもたらしたのでしょう?

じろう:単純に、優勝したことで解放されました。ネタを自由に作れるようになったっていうのは、すごくプラスですね。やっぱり若手のネタを見ると、コンテストっぽいネタの作りが多いんです。4、5分の短い設定でエッジを効かせて、その展開でどうボケていくかというネタの作りを、皆どうしてもしちゃうと思うんです。そこから解放されて、本当に2人で自由に、別にすべっても「ああ、優勝してるから別に…いいもん…」みたいな(笑)。その一個のバックボーンみたいなものはできましたね(笑)。

長谷川:紹介されるときに何もなかったのが、一つの優勝、「2014年のチャンピオンです」というものがついて。そうすると皆さんたちも「この人たち、チャンピオンだ」という感じで接してくれるので、そういった意味では、一個の印がついたといいますか、ちゃんと名刺に書けることが付いたって感じで(笑)。非常にありがたいですね。

――キングオブコント優勝、単独ライブ、冠番組と、様々なものを積み上げてきたお二人が、お笑い芸人として掲げる今後の野望も教えてください。

長谷川:単独ライブは、もっと大きいところでやっても大丈夫になれたら、やっぱり嬉しいですね。全国でできれば。

じろう:うん、そうですね。

長谷川:関東だとありがたいことに完売で。関西も、なんだかんだで、たくさん入ってくれましたけども、すぐ完売というわけにはいかなかったので。その辺が、東京以外のところでも、東京と同じくらいの熱量になっていってくれたら嬉しいというのが、一個ありますね。あと、何だ?

じろう:(ライブで)ずっと回っているので、地域の文化として「コントを見る」っていう文化が根付いてくれたらいいなと思います。小学校の時、謎の演劇とか見せられたりしていたので(笑)、ああいうのに僕らが呼ばれて、小学生にコントを見てもらう時間とか、そういうのができたら(笑)。その土壌がもうちょっとできたら、ほかの芸人も色々と行きやすくなりますし。「コントの日常化」というか。

――「コントの日常化」、素敵ですね。ちなみに、じろうさんではなく、作家さんが書いたコントをやってみたいという思いもあるんですか?

じろう:じろうじゃないコントを、2人で、しかも自分たちのライブでやるっていうのは、やってみたいですね。どんな感じになるのか…。そこは、次のチャレンジであってもいいのかな。どうなるかわかんないですけど、そういうのもいいのかなとは思います。

――これまでの方向からずれることで、何か良い効果が生まれるかもしれませんね。

じろう:はい。

長谷川:そうですね。そうなってくれたらいいなと思います。

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■プロフィール
シソンヌ
じろう(1978年7月14日生まれ。青森県弘前市出身。NSC東京校11期生)と長谷川忍(1978年8月6日生まれ。静岡県浜松市出身。NSC東京校11期生)によるお笑いコンビ。吉本興業所属。作りこまれたコントを得意とする。2006年4月に結成し、2009年・2013年に「キングオブコント」準決勝進出。2014年に悲願の優勝を果たす。2013年より単独ライブ「シソンヌライブ」シリーズを毎年開催しているほか、2015年には広島ホームテレビで初の冠レギュラー番組となった『ぶちぶちシソンヌ』がスタート。NHK『LIFE!~人生に捧げるコント~』などにも出演。役者業も評価を得ており、じろうは『いだてん~東京オリムピック噺』『俺のスカート、どこ行った?』など、長谷川は『凪のお暇』『ブラックペアン』などに出演。『今日から俺は!!』にはコンビそろって教師役で出演した。