約10年にわたって女流棋界のトップの座に君臨する絶対王者、里見香奈女流六冠。奨励会に所属し、史上初の女性プロ棋士まであと一歩というところまで迫りつつ、女王のタイトルも持つ西山朋佳女王。いま、「最も将棋が強い女性は誰か?」と聞かれたら、それはこの2人のどちらかである、ということになるでしょう。

西山女王が里見女流王座を下す 第9期リコー杯女流王座戦

西山朋佳女王

現在その2人が二つの女流タイトル戦で激突しています。一つは第41期霧島酒造杯女流王将戦(主催:囲碁・将棋チャンネル」で、こちらは三番勝負の第2局まで終了しており、1勝1敗の五分となっています。そしてもう一つが10月30日に開幕した第9期リコー杯女流王座戦五番勝負(主催:株式会社リコー)です。注目の第1局は高知県「ザ クラウンパレス新阪急高知」で行われ、135手で挑戦者の西山女王が勝利しました。

西山女王の得意の三間飛車に対して里見女流王座が銀を三段目に2枚並べるクラシカルな構えで対抗。途中は里見女流王座ペースと見られていましたが、西山女王が堅い玉を頼りに徐々に差を詰め、最後は鋭い寄せを決めました。

現在女流棋界は七つのタイトルを里見女流六冠と西山女王の2人で持っています。いまその比率は6:1ですが、この二つの番勝負の結果によっては4:3になる可能性もあり、今後の女流棋界を占う意味でも目が離せないところです。霧島酒造杯女流王将戦の第3局は11月1日、リコー杯女流王座戦の第2局は11月14日に行われます。