最近、「コンビニやスーパーで缶レモンサワーをよく見かけるな~」なんて思いませんか? それもそのはず、レモンサワーは年々人気が再燃しており、2019年は各社から“進化系”缶レモンサワーが一気に登場。いままさに第三次“レサワ”ブームがやってきているのです。そんなわけで今回は“進化系”缶レモンサワー4製品を飲み比べてみました!

  • “進化系”缶レモンサワー4製品を飲み比べ

レモンサワーに第三次ブームがやってきた!

レモンサワーの第一次ブームは1980年代。焼酎ハイボール、通称「チューハイ」にレモンを加えたアルコール飲料「レモンサワー」は、安く飲めて食事に合い気軽に酔えるお酒として、サラリーマンを中心に愛飲されました。

第二次ブームは2017~18年ごろ。健康・美容意識にレモンの効果が注目されたり、ノスタルジックな大衆居酒屋に注目が集まったりしたことで若者や女性を中心にファンが急増しました。レモンサワーは店舗による工夫の余地が大きいため、各飲食店が個性的な“進化系”レモンサワーを展開し、それらがSNSにアップされたことも大きな要因でしょう。

そして現在、第三次ブームがやってきています。これまで缶チューハイは1つのブランドでさまざまなフレーバーを展開してきましたが、2018年ごろからレモンサワー専門ブタンドが登場。レモンにこだわった“進化系”缶レモンサワーがいま増加中なのです。

第三次ブームで台頭してきた“進化系”缶レモンサワーの代表的なブランドは4つ。とくに注目したいのは、日本コカ・コーラがレモンサワー専門ブランドを立ち上げたことでしょう。

  • レモン・ザ・リッチ (サッポロビール)
  • こだわり酒場のレモンサワー (サントリースピリッツ)
  • 檸檬堂 (日本コカ・コーラ)
  • 寶「極上レモンサワー」 (宝酒造)

濃いレモンの味わい「レモン・ザ・リッチ <濃い味レモン>」

サッポロビールの「レモン・ザ・リッチ」は、グループ会社であるポッカサッポロの「プロフェッショナルスクイーズ原料果汁」を使用した商品。手絞りレモン汁に含まれる果汁・レモンパルプ・果皮から染み出るレモンオイルの美味しさを追求しているそうです。酸味と甘味のバランスが取れているという <濃い味レモン>を試してみました。

グラスに注いだ瞬間からレモンの濃厚な香りがただよい、この時点で昔ながらのレモンサワーとは異なる印象。まさにレモンを絞ったかのように白く濁っており、程よい甘みとレモン果汁のコクを感じることができました。アルコール度数5%、果汁3%ですが、レモンやアルコールの苦味はそれほど感じないため、普段あまり飲まない方でも飲みやすそうです。

  • 絞ったレモンのような白い濁りの「レモン・ザ・リッチ <濃い味レモン>」

  • アルコール度数は5%、レモンオイル等を含む果汁は3%

まるごと漬け込んた「こだわり酒場のレモンサワー」

サントリースピリッツの「こだわり酒場のレモンサワー」は、レモンを丸ごと漬け込んでおいしさを余すことなく封じ込めた浸漬酒を使用した商品。「こだわり酒場のレモンサワーの素」を見たことがある人もいると思います。複数の原料酒を黄金比でブランドし、居酒屋のレモンサワーの味を再現したとのこと。

グラスに注ぐと色は無色透明で、レモンやアルコールの香りも弱め。口に含むとちょうど良いレモンの苦味とアルコール感を味わうことができ、これこそ想像する「居酒屋で飲むレモンサワー」という印象。アルコール度数は7%で果汁表記はなく、代わりに甘味料の表記があります。このちょっと人工的な味付けが、なつかしいレモンサワーを再現しているのかも。

  • 無色透明で透き通った「こだわり酒場のレモンサワー」

  • アルコール度数は7%、果汁表記はないがレモン浸漬酒をうたう

全国展開開始! 前割りレモン製法の「檸檬堂 <定番レモン>」

日本コカ・コーラの「檸檬堂」は、レモンを丸ごとすりおろしてお酒に漬け込む「前割製法」で作られた商品。5月から九州限定で販売されていましたが、10月下旬より全国販売が開始されました。味やアルコール度数が異なる4製品の中から、<定番レモン>を試してみましょう。日本コカ・コーラが満を持して参入したそのお味は?

グラスに注ぐと色が黄色く濁っています。香りは甘酸っぱく、レモンというよりはレモネードのようです。味わいも同様にまろやかで、アルコールが苦手な方でも飲みやすそう。レモンサワーというよりはリモンチェッロを想像した方が近いかもしれません。アルコール度数5%で果汁10%と、レモンがふんだんに使われています。果糖ブドウ糖液糖や食塩が使用されているので、このあたりも味わいに影響を与えていそうです。

  • 黄色みを帯びた濁りの「檸檬堂 <定番レモン>」

  • アルコール度数は5%、果汁10%で1本あたり168kcal

甘すぎないキレ味「寶『極上レモンサワー』<瀬戸内レモン>」

宝酒造の「寶『極上レモンサワー』」は、寶酒造が誇る約2万樽・約85酒の“樽貯蔵熟成酒”と”レモンサワー用焼酎を最適なバランスでブレンドした商品です。国産レモンをまるごと粉砕した「全果摩砕レモンペースト」を使い、独自の蒸留技術で本レモンスピリッツを製造。これを本格的なレモン感を実現しているそう。今回は<瀬戸内レモン>を試しました。

グラスに注ぐと、色はわずかに白濁していることがわかります。香りはレモンをそのまま絞った焼酎という印象。口に含むとすっぱいレモンと焼酎の味わいが広がり「本当に甘くない!」。まさにうたい文句通りの味です。飲んだ後に口に甘みが残らないため、どんな食事にも合わせやすいでしょう。果汁0.1%でアルコール度数7%ですが、しっかり焼酎感があるあたりが宝酒造。プリン体と甘味料が0なのも、のん兵衛なら要チェックです。

  • わずかに濁りがある「寶『極上レモンサワー』<瀬戸内レモン>」

  • アルコール度数は7%、果汁0.1%でプリン体と甘味料は0

缶レモンサワー市場はまさに戦国時代!

日本蒸留酒酒造組合の発表によると、この1年間でレモンサワーを飲んだことがある人は2018年より5.7%上昇し、調査全体で76.8%。41都道府県すべてで増加しているそうです。そして、年齢が若くなるほど「以前に比べてレモンサワーを飲む回数が増えた」と答えた人の割合は高いそうです。

焼酎ハイボールにレモンを絞るという従来のレモンサワーから、革新的な進化を遂げている“進化系”レモンサワー。その味わいの違いは「レモンサワー」の一言では語りつくせないほど異なります。みなさんもぜひ一度その味の違いを確かめてみてください。