――ウト、白(はく)、ジン、黒竜(こくりゅう)という根来衆の実力者4人のチームワークについては、いかがですか?

みなさんとはすごく仲良くさせていただきました。黒竜の中村浩二さんは空手の先生でもあるので、アクション練習のときから私の空手技について、細かいところまで丁寧に教えてくださいましたね。撮影でご自分の出番がない日でも来てくださり、アドバイスしてもらったんです。すごく心強かったですね。

根来衆の4人は全員、動ける役者さんを集めたって坂本監督がおっしゃってたんです。今までの私の出演作品だと、チームの中で私が一番強いとか(笑)、先陣を切って敵に向かっている役が多かったのですが、今回は全員が動けますから、プレッシャーもすごかったです。「仲間なんだけれど、負けられないぞ!」っていう。

ジンの出合(正幸)さんは朝鮮武術の使い手で"蹴り技"を得意としていて、撮影前は「華音ちゃん、蹴りやらないでね。俺は蹴りできないから」なんて言っていながら、本番ではすごく高い位置まで脚を上げて蹴ってくるんです(笑)。中村さんは怪力系の相撲取りで、ちょっとコミカルな動きをしつつ、アクションでは"決めて"くるんです。テイク数が少なくて、NGを出したといっても衣装がどこかに引っかかったから、とかで、ご自身のアクションは常に正確で、NGをほとんど出さなかったですね。

白を演じる藤岡(麻美)さんも、ふだんはとても天然キャラで、ホワホワした感じの女性なんですけど、本番になれば刀をビシッと決められるんですよ。それで終わったとたん「さむ~い!」なんて言い出して(笑)。すごくかわいらしいムードを持った方なんです。藤岡さんが刀、出合さんが足技、私が拳、中村さんが怪力と、技のスペシャリストが結集した感じがすごく表現されていると思います。

――これまでにもいろいろな監督、アクション監督について役を演じてきた宮原さんから見た、坂本監督の演出の特徴を教えてください。

特に印象に残っているのは、相手への攻撃はすべて本当に「当てる」という部分です。今までの作品でも、パンチやキックを相手の方に当てるのはやっているのですが、武器も当てるのか!と驚きましたから。当たっても大丈夫なように準備しているのですが、それでも打撃の瞬間は衝撃がありますし、時には痛かったりします。私も敵の攻撃を受けて、だいぶ傷だらけ、アザだらけになりました。メイクの方が「ちょっとアザを撮らせて~」と、私の腕のアザとかを参考用にカメラで撮っていたりしていました(笑)。

――坂本監督の師匠にあたる倉田保昭さんが律花の祖父・兵衛(ひょうえ)役で出演されていましたね。撮影期間中、宮原さんが倉田さんとお会いしたことってありましたか?

倉田先生とは直接お芝居での絡みはなかったのですが、一度先生の出演シーンを見学させていただいたことがあります。倉田先生が刀を構えただけで周囲の空気がすっと変わって、「あっ、みんな倒されちゃう」なんて思えるような、すごいオーラがありました。もしチャンスがあったら、ぜひ撮影でご一緒してみたいですね。

――宮原さんから坂本監督に、一言メッセージをお願いします。

2月の、いちばん寒い時期の撮影で、もう指がちぎれてしまうんじゃないかと思うくらい大変な撮影が続きましたが、坂本監督があったかい方なので、現場はいつもあたたかな雰囲気に包まれていました。坂本監督の映像作品に今回初めて出演したわけですけど、これからもどんどんご一緒させていただければ嬉しいです!

――最後に、『BLACKFOX: Age of the Ninja』で宮原さんがおすすめする、ウトの名場面を教えてください。

あまり細かくは言えませんが、中盤から終わりにかけてのウトの"心境の変化"に注目していただきたいですね。ウトはただのワルじゃなくて、自分の信じるものに従って生きてきた。決して、律花や宮にイジワルがしたくてやっているんじゃない、という思いが伝わればいいな、と思います。みなさまどうぞよろしくお願いします!

(C)PROJECT BLACKFOX Age of the Ninja