JR東海は17日、大規模災害や不測の事態の発生に備え、迅速な乗客の救済と早期の復旧体制を確立するため、運輸・車両・施設・電気の各系統社員が一丸となったさらなる連携力の強化、関係会社を含めた社員の技術力向上、若手社員への技術継承を目的に、東海道新幹線の総合事故対応訓練を11月13日に行うと発表した。

  • 東海道新幹線の総合事故対応訓練を11月13日に実施。N700S確認試験車を用いたバッテリー自走訓練も行う

大規模災害・不測の事態発生時の乗客への対応訓練は、列車火災に伴う避難誘導訓練と不測の事態における防護装備を活用した訓練を実施。列車火災に伴う避難誘導訓練では、走行中の車内で乗客の持ち物から出火した場合を想定し、乗務員による初期消火、指令所から車内への案内放送、乗客の救護及び避難誘導の訓練を行う。車掌・パーサー・警備員・工務系統社員が参加するほか、消防と協力して連携力の強化を図る。

不測の事態における防護装備を活用した訓練では、刃物を持った不審者の対応などの不測の事態に備え、車内に搭載している防護装備を使用する訓練を行う。車掌・パーサー・警備員が参加するほか、警察と協力して連携力の強化を図る。

大規模災害による停電が発生した場合を想定し、N700S確認試験車を用いたバッテリー自走訓練も行う。駅間での長時間停車を回避するため、車両に搭載されている自走用バッテリーを活用し、近接駅に見立てた車庫まで移動する訓練となる。

台風などで飛来物が線路内または架線に多数発生したことを想定し、工務系統社員が連携してクレーンを活用して飛来物を撤去する訓練も実施する。訓練は東海道新幹線の三島車両所にて実施され、参加人数は約1,200名とされている。