メリダを見守る、主人公・クーファをふたりはどう見る?

――そのクーファに対しては、おふたりはどんな印象をお持ちですか?

楠木 毎回、メリダのところに駆けつけるタイミングが絶妙じゃないですか? そのかっこいいところを全部もっていく感じが、クーファらしさなんでしょうかね(笑)。でもクーファも実は、すごくいろいろなものを抱えていて。メリダにすら言えないこともあったりするんです。だからこそメリダに誰よりも寄り添ってくれる存在だと思うので、メリダとしてもすごく心強いんだろうなぁって思いますし、身近に背中でいろいろ教えてくれる人がいるっていうのは素直に羨ましいです。

――ただ、実技の訓練は割とスパルタで。

楠木 “鬼畜教師”ですから(笑)。でもそこもまた、良さだなって思います。普段はクールなのに、メリダのことになると「どうしたんだ?」っていうぐらいアツくなる感じが、いいですよね。

石川 いやぁ、クーファは優しすぎるなって思います。

楠木 ですね!

石川 だからこそ、クーファの中でもいろんな葛藤があるんだろうなと思いますし……きっと暗殺者に向いてないんだろうなぁって。

楠木 それは明らかですよね(笑)。

石川 ねぇ(笑)。でもいろんなものを抱えながらも、優しいからいろんなものを見捨てられずに全部自分で背負ってしまうようなところは、やっぱりかっこいいなぁと思います。

――ちなみに、クーファはメリダのお付き兼家庭教師ですけど、おふたりは家庭教師がついた経験って?

石川 私、家庭教師はないんですけど兄が昔塾の講師をやってたんです。それで、あるとき次の日が数学のテストだっていうのがバレて……。

楠木 バレて?(笑)

石川 テスト範囲になってたプリントをイチから全部解き直させられて、終わるまで寝させてもらえず(笑)。泣きながらやった記憶があります。

楠木 私も家庭教師ではなくて塾に通っていたんですけど、家族にもよく聞いてました。ただ、高校に入ってからは元々苦手だった数学がよりダメになって(笑)、理系クラスの子に放課後めちゃめちゃ教えてもらいに行ってました。「これわかんない! これもわかんない!」って、つきっきりで教えてもらってましたね……でも家庭教師って、なんとなく憧れますよね?

石川 憧れる! 実際はどうなんだろう?

楠木 受けたことないですからね……。逆に先生目線から考えると、クーファもやっぱりメリダが成長してるのを観ると嬉しいんですかね? 「俺が頑張ったからメリダが……!」って。

石川 だからこそね、愛のムチを(笑)。

楠木 “鬼畜教師”ですからね(笑)。

――きっと、誇らしいと思ってるんでしょうね。

楠木 ……やっぱ、暗殺者に向いてないですよね(笑)。

石川 ねぇ、ホント(笑)。教師とかのほうが向いてそうだよね。

現場により明確な方向性と団結をもたらした、監督の意向で行われたこととは?

――続いて、アフレコ現場の雰囲気についてお聞きしたいのですが。

石川 ずっとわいわいしてたよね?

楠木 そうですね、すごくにぎやかで。でも、収録が始まると皆さんガッとスイッチが入っていましたね。

石川 みなさんオンオフがきっちりされているからね。休憩中は結構、クーファが「見えない部分で、こんなこと考えてるんじゃない?」っていう妄想とかを女子たちで話したりして(笑)。

楠木 おかげで話しやすい環境が自然とできていて、原作を見ながら自分が演じるキャラクター以外の解釈の話とかも、結構していたんですよ。

石川 監督さんとも結構お話させていただく機会もあったので、すごく意見もしやすいし相談にも乗ってもらいやすい現場でしたね。しかも、みんなすぐ仲良くなれた感があって。

楠木 毎週のように小野さんが「今日ごはん行きますか?」みたいに声をかけてくださって、アフレコ後にみんなでごはん行ったりしたのもあるんでしょうかね? すごく雰囲気を作ってくださって……。

石川 たしかに。引っ張ってくださってたよね。

楠木 それに、監督のご意向でアフレコ期間中に打ち入りをやらせていただいて、1話の映像をみなさんで一緒に観る機会を作っていただけたのもすごくありがたかったですよね。「あ、こういう方向性にしたいんだ」っていうのをアフレコが終わる前に知れたので。

石川 キャスト陣も結構揃ってて、すごく盛り上がってたんですよ。応援上映したいぐらいにみんな「きゃーっ!」って言ったりして(笑)。でも後半は、みんな見入っちゃってたよね。

楠木 結末知ってるのに「はぁぁ……」とか言って観てましたね(笑)。そのとき私は映像の空気感から原作小説と同じ繊細さを感じて、「この作品はラノベ原作だけど、アニメっぽい演技よりもナチュラルなほうが雰囲気出るのかな」と思ったんです。BGMのないセリフだけのシーンも結構多いので、あまり“アニメ”というのを意識しすぎると作品としてメリダが浮いてしまいそうに感じたんですよね。だから、その独特のリアルな生々しい空気感を出すには、あまり作った演技よりもまっすぐに向き合ったほうがいいのかなと思って、終盤はアフレコに臨んでました。ナチュラルめに、というのは元々意識してはいたんですけど、それを観てからはよりいっそう意識が強くなったかもしれません。

石川 本当に、さっきともりる(=楠木)が言ったように、ラノベ原作でキャラクターもすごくかわいいけど、例えばセリフの言い回しひとつでみなさんの受け取り方が変わってしまうような内容の作品だと思うんです。なので、そういうところをちゃんと意識して演じていかないといけないなと思いながら、アフレコしていました。