10月10日は「お好み焼きの日」って、知ってた? お好み焼きを鉄板やホットプレートで焼くときにジュージュー(10・10)と美味しく音を立てることと、 みんなでホットプレートを囲んで食べる様子が輪(10の0)になって見えることにちなんで、オタフクソースが制定したものだ。ところで、お好み焼きで有名な広島県では、県内各地で独自の進化をとげた「ご当地お好み焼き」があるんだとか。その中の1つが、広島県府中市で昔から愛されてきた ご当地お好み焼き「備後府中焼き」。今回、その「府中焼き」のメディア向け試食会があると聞いて、お腹を空かせて行ってきた。

  • ご当地お好み焼きグランプリ初代王者 「府中焼き」の食感にビックリ

    一見スタンダードなお好み焼きに見えるけど、これが「府中焼き」

府中市のご当地フード「府中焼き」とは?

やってきたのは、東京都千代田区神田小川町。靖国通り沿いにある「広島県府中市アンテナショップ NEKI(ネキ)」だ。「ネキ」というのは「近く」を意味する備後地域の方言で、首都圏の人たちや地元出身者に、府中市を身近に感じて欲しいという思いを込めて店名にしているという。府中市は「家具の街」とのことで、店内の椅子や、物販の棚なども、府中市の企業が協力して内装が作られているのだとか。店内は物販ブースと飲食ブースに分かれており、飲食ブースには大きな鉄板がドーンと置かれたカウンターがあり、各テーブルにも鉄板が置かれていた。

  • 靖国通り沿いにある「広島県府中市アンテナショップ NEKI」

  • 家具で有名な街ということで、木工品が豊富に取り揃えられていた。特に跳び箱仕様の小物入れは可愛くて人気が出そう!

「府中焼き」は、生地の上にキャベツ、麺、卵を重ねていくところは広島風お好み焼きと同じだが、豚肉ではなく牛肉のミンチ肉を使うのが特徴。もともと、府中市のお店ではお好み焼きの具にちくわを使っていたところもあったそうだが、ミンチ肉を入れてみたところ美味しかったため、普及していったのだとか。そのため、昔から府中市に住んでいる人々は「お好み焼きにはミンチ肉」が当たり前になっており、むしろ他の土地では豚肉を使うことを知らなかった人もいるそうだ。なんという地元愛。ていうか、きっとそれだけ美味しいっていうことだよね。これは今すぐ食べなくては。

お好み焼きとは一味も二味も違う逸品

取材陣を前に、「要するに、食べてみればわかります」と説明もそこそこに府中焼き調理の実演を開始する店長さん。かなりうす~く生地を作り、その上にまずは魚粉をかけて、どっさりキャベツを乗せる。卵と揚げ玉を乗せて、その上からキャベツに覆い被せるように麺を乗せると、牛ミンチ肉を乗せた。そして、ミンチが溶けるまでしばらく置いておく。そのため、「完成するまで15分ぐらいかかっちゃうのがちょっと難点ですかね(笑)」と笑う店長さん。なんて正直者なんだ!? だが、「それぐらい待った甲斐があったって言っていただけると思いますよ」と自信もあり。なるほど、ますます期待が高まる。手際よくひっくり返して形をキレイに整えてソースを塗り青のりをかけて、府中焼き、完成! 美味しそう~! これが「肉玉そば」(税別800円)。

  • 牛ミンチ肉をたっぷり乗せてしばらく溶けるまで置くのがポイント

  • ミンチ肉を乗せて焼いた側がとてつもなくパリッパリな食感でたまらない

早速いただいてみると、ミンチを乗せた側がパリッパリで、クリスピーな歯ごたえがたまらない。この食感、なかなか味わえない気持ち良さだ。ちょっとスナック感覚という感じで新しい。ミンチ肉から脂が流れ出ることで、鉄板の上で揚げ焼き状態になるからこその食感だ。脂が出るためヘルシーだから、女性にもファンが多いそうだ。脂とキャベツの甘みも相まって美味しい。これは新しいグルメかも。また、瀬戸内産の広島レモンと海人の藻塩を使用した広島の調味料「レモスコ」を使った「レモスコスカッシュとジンで作られたサワー「レモスコスカッシュジン」がドリンクメニューに新登場。試飲させていただいたのだが、辛みで喉の奥がカ~ッと熱くなる、結構インパクトのある味! これは大人の味だ。

  • 結構インパクト大!な「レモスコスカッシュジン」は大人の味だった

物販ブースには、おかず味噌や牡蠣が入ったカレー、おせんべいといった食品から、木工品、デニム地を使用した服、雑貨など、府中市由来の様々な商品が並んでいた。府中市では「一店逸品運動」として、異業種同士が集まり、意見を出し合いながら自信を持っておすすめできる商品やサービスを逸品として1年に1品目作り上げ、お互いに協力して消費者にアピールする取り組みが行われているという。その上で、「府中一店逸品グランプリ」を実施しているそうだ。この日は、今年、フード部門で優勝した中林鶏肉専門店の「朝引き鶏しゃぶセット」の試食も提供され、匠部門で優勝した土井木工の「DK21.chair」が店内で披露されていた。座面の角度の1度にまでこだわり試行錯誤を重ねて完成したという、座り心地最高な椅子に腰かけて食べる、朝引きしたばかりの新鮮な鶏しゃぶは最高のひと言。

  • 中林鶏肉専門店の「朝引き鶏しゃぶセット」もまた、滋味深い味わいで美味しい

  • 土井木工の椅子は座り心地抜群。左がウォールナット材、右がオーク材を使用している

いいなあ、府中市。東京にいながらこんなに身近で、広島県府中市のグルメを味わったり製品を手にできるなんて、知らなかった。是非みなさんも、「NEKI」に足を運んで、府中焼きを食べながら府中市のことをもっと知ってみてほしい。きっとこれまで以上に生活も気持ちも豊かになるに違いない。

●information
「広島県府中市アンテナショップ NEKI」
東京都千代田区神田小川町1-3-1 NBF小川町ビル1F
営業時間:月~土
●飲食スペース
ランチ 11時30分〜14時30分 (ラストオーダー14時)
ディナー17〜22時(ラストオーダー/フード21時、ドリンク21時30分)
日曜日:11時30分〜17時
休:年末年始のほか、月に数日の臨時休業日あり

著者:岡本貴之

1971年新潟県生まれのフリーライター。音楽取材の他、グルメ 取材、様々なカルチャーの体験レポート等、多岐にわたり取材・ 執筆している。好きなRCサクセションのアルバムは『BLUE』。趣味はプロレス・格闘技観戦。著書は『I LIKE YOU 忌野清志郎』(岡本貴之編・河出書房新社)」