インターネットは、面白い漫画や美しいイラストの投稿で日々あふれています。絵心がある人であれば「自分も描いて発表しようか」と思ったことが一度はあるのでは? 『アオバ自転車店といこうよ!』『二度目の人生アニメーター』などの著作がある漫画家・宮尾岳さん(@GAKUJIRA)がツイッターに投稿した、「漫画を描きはじめた人がぶつかる壁」についての投稿が話題になっていました。

漫画を描き始めた時にぶつかる壁の一つに

【下描きはイイ感じだったのに、ペン入れしたら絵が変になった】

っての。

変になるというか、死んだ絵になっちゃう。

綺麗な絵にはなるんだけど
綺麗なだけで、魂が入ってない気がする。

そういうの無いでしょうか。

「ペン入れ」とは鉛筆などで描かれた下描きの線を、インクなどでなぞり主線を描くこと。下描きの余計な線が消えるためにきれいにはなるのですが、「死んだ絵になっちゃう」「魂が入ってない気がする」ように見えてしまう。

  • その原因と解決策は…

実際に、この投稿を見た読者で、漫画を描く皆さんからも、「めちゃくちゃ同感です」「永遠の課題ですね」「あるあるですね。有りすぎて困るほどに」「ものっすごいわかります。描写が平坦になってしまう」と共感の声が続々と寄せられていました。

宮尾さんは、この問題の原因として、「下描きは【絵をゼロから描いている】のに ペン入れは【絵を整えている】 描いてるんじゃなく 整理してるんです。」。解決策として、「下描きの段階を100点にしないようにしています。70点のラフに【ペン入れで作監修正する】つもりで。」とコメントしていました。

完成したものをなぞるだけだから、気持ちが入らない。そうではなく、あえて未完成にして、仕上げるつもりで描き加えることで、気持ちを保つ…。この準備段階であえて完璧を目指さない手法は、完成段階での勢いが必要なプレゼンの場面など、多くの人に広く役立ちそうです。

投稿からおおよそ2日で、約7,800件のリツイート、26,000件のいいねを集め、注目されています。