――共演者の方たちについて、もう少しお話を聞かせてください。ヒロインの「みーたん」こと美空の存在も、一海が主役の『グリス』には絶対欠かせない要素ですね。
武田:もちろん、僕らの物語をやるのなら、ヒロインは(高田)夏帆ちゃんしかいないと思いましたし、夏帆ちゃんがいることで、僕ら4人の"絆"がより濃厚に表現されるんです。一海たちが戦う「理由」として、みーたんを守るということが大義名分になっているんですね。そういう意味では、美空の存在がないとお話が成り立ちません。また今回も、夏帆ちゃんがいい表情をしてくれるんですよ……。
栄信:すばらしいですよね。
芹澤:感動します。
吉村:いいですよね~!
武田:夏帆ちゃんは随所ですばらしい芝居をしてくれるんですけれど、特に僕が好きなのはラストシーンで見せる"笑顔"でした。
栄信:すごいさわやかなラストシーンですから、最後までじっくりと観てほしいですね。
芹澤:エンドロールにもスタッフさんの"愛情"を感じました。
吉村:これまでのカシラと三羽ガラスの名場面が出てくるんだよね。
武田:あのスチール写真を選んだのは、大森さんなんだよ。「ゴールデンウィークの休みを返上して、ずっとみんなの写真を選んでいた」って言っていた。
栄信:とてもうれしいことですね!
武田:大森さんの愛情を感じますね。観ているとグッときます。
――それでは最後に、Vシネクスト『仮面ライダーグリス』で強く印象に残ったシーン、またはおすすめの名場面をお一人ずつ教えていただけますか。
芹澤:僕はやっぱり、グリスパーフェクトキングダムの変身シーンが心に残りました。カシラと三羽ガラス、4人一緒で変身しているという思いが強いですし、それはこの4人全員が感じていると思います。
吉村:冒頭で、みーたんと待ち合わせしているカシラを物陰からこの3人が観ているシーンなんて、いいですね。3人はカシラのことが大好きゆえにすごく心配していて、しかも「どうせこのデート失敗するんじゃないか」と思いつつも応援したいという。4人の関係性がなんとも可愛いなと思えたんです。
栄信:俺としては、特にどのシーンというのではないんですけど、カシラと三羽ガラス、カシラと戦兎、幻徳、みーたんなど、全体を通して描かれる各キャラクターの"絆"を観てほしいんです。俺自身、各キャラクターがみんな信頼し合っていて、絆を胸にして戦っているというところに心を打たれました。
武田:『仮面ライダーグリス』では、一海と三羽ガラスを中心に、それぞれのキャラクターが人間らしく"もがいている"物語なので、そういった部分に注目してくださるとうれしいですね。今回、一海はカッコ悪いところをたくさん見せていますけれど、その一方で、助けてくれた仲間の思いを汲んで「俺がもっと応えないと」とか「こいつらのためにも戦うぞ」といった、熱い思いが描き出されました。とても人間らしい、観てくださる方が身近に感じられる物語となっています。「命をかけて敵と戦う」男たちの姿を描いた武藤脚本、そして中澤演出の妙味をぜひ、細かな部分までじっくりと観ていただければと思います。
■プロフィール
武田航平(たけだ・こうへい)。1986年生まれ、東京都出身。第14回JUNONスーパーボーイコンテスト審査員特別賞を受賞。2008年『仮面ライダーキバ』に紅音也役でレギュラー出演した。NHK 大河ファンタジー『精霊の守り人 最終章』(2018年)などのテレビドラマや、園子温監督『東京ヴァンパイアホテル』(2017年)、石田秀範監督『GOZEN―純恋の剣―』(2019年)などの映画、そして舞台、バラエティに多数出演。
栄信(えいしん)。1985年生まれ。長崎県出身。189cmの長身を活かし、映像作品にて強い存在感を発揮している。『闇金ウシジマくん』『女囚セブン』『3年A組』『アンナチュラル』『リバース』などのテレビドラマや、『ヒメノア~ル』『ヒーローマニア~生活~』『いぬやしき』『クローズEXPLODE』などの映画、さらにはPVやCMにも出演。
芹澤興人(せりざわ・たてと)。1980年生まれ。静岡県出身。中央大学文学部哲学科卒業。『いだてん~東京オリムピック噺~』『乱反射』『刑事7人』をはじめ、多くのテレビドラマや映画に出演。2013年の塩出太志監督作品『死神ターニャ』で「福岡インディペンデント映画祭2014コンペティション」俳優賞を受賞している。
吉村卓也(よしむら・たくや)。1990年生まれ。広島県出身。2007年「アミューズ30周年記念オーディション」で審査員特別賞を受け、芸能界入り。『美咲ナンバーワン!!』『科捜研の女(第13シリーズ)』などのテレビドラマ、『GANTZ PERFECT ANSWER』『ぼくたちは上手にゆっくりできない。』などの映画に出演するほか、舞台への出演作も多数。
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