――その点、今日はみなさん『グリス』の役衣装でいらしてますから、カシラと三羽ガラスで揃われていると「おおっ!」と思います。
武田:役の衣装で揃うと、自然と演じるキャラクターのほうに寄っていきますね。
芹澤:衣装の力って大きいですよ。そもそも俺らが出会ったのは、衣装合わせのときでした……。
武田:またその話から~(笑)。
吉村:"また"って言うけど、それだけ印象が強いんですよ。かいつまんでいうと、ちょっとだけ「地獄の衣装合わせ」だったんですから。
――以前、イベントで吉村さんが「沖田総司」、芹澤さんが「次元大介」みたいなイメージで始まっていたのに、衣裳合わせを繰り返していくうちにどんどんイメージが変わっていったという、あれですね。
吉村:僕らが衣装合わせをする直前に、航平くんの衣装合わせが終わったんです。僕らは「おおっ、かっこいいな」なんて思っていて、じゃあ僕らはどんな感じなんだろうと思っていて、かなり迷いに迷って、だいぶ"カオス"な衣装に決まりましたね。
芹澤:あのカラシ色のジャケットをどうするのか、がポイントになりました。
吉村:『センチュリー21』のCMでケイン・コスギさんが着ているようなジャケットだって、みんな言ってたね(笑)。
栄信:3人とも迷いに迷った結果、こんな衣装になった感じでした。
武田:あのとき俺は「もっと口を出せばよかった……」と思っていてね。衣装合わせをしていて、どんどんヘンになっていくこいつらの姿を見ていて、もう心の中で笑いが止まらなくなって(笑)。
吉村:初登場したときの衣装って大事なんですよ。ずっとその衣装で通さないといけないですから。
芹澤:まあ、そういう意味では非常に勉強になったというか(笑)。
栄信:そうだよね。レギュラーの衣装なんだから、最初にもっと俺たちも意見を言えばよかったんだ……(笑)。
――『グリス』前半でタキシードのまま一海と赤羽、青羽、黄羽が無人島に流されてとんでもない目に遭うくだりは最高に面白かったです。無人島ロケのときのお話を聞かせていただけますか?
武田:ああ、地獄のロケですね。
芹澤:撮影も終わりに差しかかったころ、三浦半島のロケでした。
栄信:あれはまさしく地獄でしたね。
吉村:無人島で俺たちが死にかける、という設定でしたが、あれ以上に演じる僕らは酷い目に遭いました。
武田:とにかく寒かったんだよね。あの撮影の日、大寒波が来ていたらしくて。
芹澤:すごく寒かったんですよ。そんな中、ふつうに海の水に肩まで浸かっていましたから。
武田:俺らがボートに乗ってるシーン、寒くてガタガタ震えてるのに中澤(祥次郎)監督がニコニコしながら「はい、もう一回行こうか」って言うんだよな。
栄信:過酷だったなあ……。
武田:劇中で俺らの手が震えているのは、ガチですからね(笑)。