南海電気鉄道はこのほど、特急「ラピート」の台車に亀裂が発見された重大インシデントについて、緊急点検の結果や対策などを明らかにした。

  • 南海電鉄の特急「ラピート」

発表によれば8月23日18時10分頃、走行中の特急「ラピート」(6両編成)の2号車・3号車の車両連結部渡り板の部分で金属がすれるような音がしたことを車掌が確認したという。関西空港駅到着後の折返し運転中にも同様の音が聞こえたことから、車掌は運輸指令に状況を報告。運輸指令は車両係員を乗り込ませて確認するよう手配したものの、異常が認められなかったことからそのまま運転を継続した。

営業運転終了後、回送列車として住ノ江車庫に入庫し、連結部渡り板の部分を点検したが異常がなく、周辺に拡大して点検を行ったところ、8月24日0時10分頃、2号車の難波方面側台車の主電動機受座の裏側に長さ約140mmの亀裂が見つかった。その後の調査などにより、この亀裂と車掌が聞いた「金属がすれるような音」との間には因果関係がないことがわかったと説明している。

今回の件を踏まえ、同社はすでに微小な傷も発見できる機器と目視による台車の緊急点検を実施。50000系「ラピート」6編成のすべての台車の主電動機受座を点検し、6編成のうち3編成で異常がないことを確認。残りの3編成について、主電動機受座に約60~70mmの亀裂を発見したが、これらの亀裂に関して、安全性に問題はないという。亀裂の発見原因については今後、製造メーカーと調査を進めるとした。台車検査マニュアルも改訂し、今回亀裂が見つかった場所を重点検査箇所に含める。