いよいよ、マイナンバーカードを持つべき時代が近づいてきているかもしれません。これまでは運転免許証を持っていないから本人確認書類として使いたいという人以外は必要を感じないこともあり、制度開始から3年以上もたったにもかかわらず発行割合は13%(全国/人口に対する交付枚数率。2019年4月1日現在)という低調ぶり。

ところが地域のイベントやボランティアに参加すると自治体ポイントがもらえるなど、マイナンバーカードが生活に必要な仕組みが始まっています。

マイナンバーカードにはポイント機能がある!

ほとんどの人はマイナンバーカードの交付申請さえしていないのですから知名度はほぼありませんが、2017年9月からマイナンバーカードに「自治体ポイント」という機能がプラスされました。いわゆる共通ポイントと同じようなもので、1自治体ポイント=1円として使えるポイントプログラムです。

現在の段階でポイントをためる方法は大きく分けて、①各自治体がボランティア活動や対象者への給付として付与(※1)、②クレジットカード会社や航空会社など企業のポイントと交換、の2つ。たまったポイントは地域の商店で買い物をしたり、公共施設が利用できたりする(※2)ほか、オンラインでの物産購入などに使うことができます。

(※1)自治体ポイントを付与していない自治体もある
(※2)自治体ポイントで購入できる商品や利用できる内容は自治体により異なる

自治体ポイントを利用するにはマイキーIDの設定が必要

マイナンバーカードの中にある機能のひとつが自治体ポイントですが、これを利用するためにはまずマイナンバーカードを取得しなくてはいけません。ほとんどの人は制度スタート時に送付された通知カードのままでしょうから、まずはマイナンバーカードの交付申請が必要です。

申請の方法は①郵便で申請、②パソコンから申請、③スマホから申請、④街の証明写真機から申請、の4通りがあります。申請は前記の通り送付や送信で完了しますが、交付時は送付された交付通知書(はがき)や通知カード、本人確認書類を持って、記載された期限までに本人が交付場所へ出向かなくてはいけません。

マイナンバーカードを取得したら、次は「マイキーID」の設定です。必要なものは①マイナンバーカード、②マイナンバー取得時に設定した「利用者証明書用電子証明書暗証番号」、③公的個人認証サービス対応のICカードリーダライタ(一部のスマホのリーダライタモードを使ってパソコンに接続して利用することも可能)、④インターネットに接続できるパソコン。

これらを準備できたら「マイキーID作成・登録準備ソフト」をダウンロードし作成・登録。これで、ようやく自治体ポイントが使えるようになります。

必要なものやダウンロードするソフトなどについては『自治体ポイントナビ』というサイトが準備され、詳しく説明されているので検索してみてください。

まだまだスタートしたばかりの自治体ポイント。今後はどうなる?

ためる&使う仕組みを知ってちょっと使ってみようかなと思った人も、利用するまでの手順がわかったら“面倒だからいいや~”と思ってしまいそうな自治体ポイント。

マイナンバーカードの取得が進まず使えるところも少ないため、積極的に利用手続きを考える人は多くないでしょう。ところが、もしかしたら取得した方がいい事態が起こるかもしれないのです。

というのは、消費増税対策として2020年4月以降、期間限定でマイナンバー保有者に自治体ポイントを付与するという案が政府で議論されています。なんと! マイナンバーカードを持っていないとポイントがもらえないのです。

また、マイナンバーカードについては、2021年3月から「健康保険証」機能が導入されることが決まっており、いよいよさまざまな場面で使われることになりそうな雰囲気になってきました。マイナンバーカードの申請→取得だけでも1カ月程度はかかるといわれています。そろそろ時間を見つけて、マイナンバーカードは取得しておいた方がいいかもしれません。

  • 鈴木弥生

鈴木弥生

編集プロダクションを経て、フリーランスの編集&ライターとして独立。女性誌の情報ページや百貨店情報誌の企画・構成・取材を中心に活動。マネー誌の編集に関わったことをきっかけに、現在はお金に関する雑誌、書籍、MOOKの編集・ライター業務に携わる。ファイナンシャルプランナー(AFP)。