クルマを売りたいけど、一括査定をすると業者からの電話が鳴り止まなくなりそうで心配……。そんな悩みに着目したフリークアウトという会社が、「ビッドナウ車買取」(BIDNOW)という新たなサービスを立ち上げた。売りたいクルマの情報をLINEに打ち込むだけでOKという触れ込みだが、どんな仕組みなのか。

  • ビッドナウの画面

    「ビッドナウ車買取」(BIDNOW)とはいったい、どんなサービスなのか

デジタルネイティブ世代にピッタリ?

ビッドナウの使い方は簡単だ。LINEでビッドナウとトークを始めると、まず「車の売却を考えている」か「相場を知りたいだけ」なのか聞かれるので、それに答える。その後は車種、年式、走行距離などを提示される選択肢から選んでいくだけ。あとは待っていれば、査定結果(買取金額)がLINEに届く。ビッドナウには現時点で30社弱の中古車買取業者が参加しているそうなので、いくつかの提案を見比べて、金額が高いところを選ぶことが可能だ。

  • ビッドナウを使用しているところ
  • ビッドナウを使用しているところ
  • LINEで売りたいクルマの情報を答えていくと、査定が受けられる

フリークアウトによると、web上でクルマの一括査定を行った場合、多くの買取業者から電話やメールが一斉に届くことになるそう。業者側では、一括査定を行ったユーザーといち早く連絡を取りたいがため、すばやく連絡を入れるというオペレーションをシステマティックに実行する体制を整えているという。一括査定を行った人は電話攻勢に悩まされ、電話攻勢を行う側はユーザーに悪い印象を与える。こんな悪循環が起こっているとフリークアウトは分析する。

その点、ビッドナウでは連絡先を入力する必要がないので、査定結果がLINEには届いても、電話連絡などは受けなくても済む。フリークアウトでビッドナウを担当する胡桃沢精一(くるみざわ・せいいち)さんは以前、クルマを売ろうと一括査定を行い、買取業者からの電話攻勢を体験したことがあるそう。ビッドナウはユーザー目線で立ち上げたサービスなのだという。

  • ビッドナウを利用できる地域は東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、山梨県、愛知県、大阪府、兵庫県。利用料金は無料だ

わずらわしい電話連絡を回避できるのはありがたい。ただ、クルマのように高額な商品を売るのに、手軽な連絡手段であるLINEを使うことには抵抗を感じる人もいるはずだ。そのあたりについて、フリークアウトはどう考えているのか。胡桃沢さんは以下のような考えを示す。

「若者をはじめとする多くの人にとって、人とのやり取りは電話よりも、LINEのようなアプリを使うことの方が普通になっていると思うんです。それに、特に若い方は、「メルカリ」などで、アプリを通じたモノの売り買いに慣れています。そういった『デジタルネイティブ世代』の人が今、20代後半くらいになって、クルマを売るようになりつつあるんです。例えば、学校を卒業してすぐにクルマを買った人であれば、3回目の車検が近づいているタイミングかもしれません。そうすると、クルマの売却も視野に入ってきますよね」

  • フリークアウトでビッドナウを担当する胡桃沢さん

ビッドナウは2019年5月にサービスを開始し、それから2カ月程度で約1,200人のユーザーを獲得したという。デジタルネイティブ世代がクルマを売る時代に入った今、直接のやり取りを省略できるクルマの売り方に対するニーズは、ますます高まるかもしれない。