JR東日本新潟支社は27日、新津駅にて新型車両の電気式気動車GV-E400系(量産車)の車両展示会を実施した。GV-E400系は8月19日から営業運転を開始し、磐越西線・羽越本線で運用される。その後も順次、運用を拡大する予定となっている。
GV-E400系はディーゼルエンジンと発電機の電力により、モーターで走行する電気式気動車。電車で培ってきた技術やメンテナンス方法を同車両にフィードバックすることで、さらなる安全安定輸送と質の高いサービス提供を可能にするという。
同車両は既存のキハ40系列の置換えとして製造され、昨年1月に量産先行車3両(両運転台のGV-E400形、片運転台のGV-E401形・GV-E402形)が落成。各種試験・検証や乗務員の運転訓練、車両メンテナンスの教育訓練などが行われた。量産車の製造も始まり、今年5月に量産車が新津へ輸送されたとのこと。今回の車両展示会では「GV-E401-2」「GV-E402-2」の2両編成と「GV-E400-2」の計3両が連結されて新津駅1番線に展示され、外観だけでなく車内も公開。主要諸元などを紹介するパネルも置かれた。
GV-E400系は川崎重工が製造したステンレス製の車両。「GV」は「Generating Vehicle」に由来している。車体寸法は全長19.5m、全幅2.8m、全高3.635m。最高運転速度は100km/h。乗降扉は1両あたり片側2カ所(半自動機能付き)。外観は沿線の日常を支える公共交通機関としての信頼感・安定感を感じさせる力強さと、時代が移り変わっても風化しないシンプルさを兼ね備えたデザインとしている。
定員はGV-E400形が99名、GV-E401形が111名、GV-E402形が121名。客室内は4人掛け・2人掛けのボックスシートとロングシートを組み合わせた座席配置とし、一般座席はあたたかみのあるトキピンクを基調とした色彩で統一。冬季の寒さ対策として、出入口付近に大型の袖仕切りを採用している。優先席は床面を色分けして判別しやすくし、シートや吊り革も一般座席とは異なる配色に。トイレは電動車いす対応としている。客室内照明にLEDを採用し、窓ガラスには紫外線をカットする強化ガラスを使用した。
GV-E400系は8月19日の新津駅16時52分発・馬下駅17時20分着の列車(3両編成)から営業運転を開始。新津駅で駅社員・新津運輸区社員ら関係者が見送り、同駅発車後の車内で乗車記念ポストカードを1人1枚配布する。列車は磐越西線新津~馬下間、羽越本線新津~新発田間をそれぞれ1往復した後、新津駅20時30分発・鼠ケ関駅22時46分着の列車を運行。8月20日朝に鼠ケ関駅6時44分発・新津駅8時55分着の列車が運行される。
新型車両で運用される列車は順次拡大され、新潟地区では磐越西線・信越本線会津若松~新津~新潟間、羽越本線新津~酒田間、米坂線米沢~坂町間での運用が予定されている。なお、GV-E400系の導入にともない、新津運輸区所属のキハ40系列(キハ40・47・48形)は段階的に運用を縮小し、2019年度中に磐越西線・信越本線・羽越本線での定期運用を終える計画となった。