■“笑顔”をテーマに、誰にでもあてはまる形に仕上げた「おそろい」

――では、続いて駒形さんご自身が作詞された2曲についてお聞きしたいのですが、まず「おそろい」は甘い感じの世界観の曲で。

もともと、「人の笑顔って、どこから来るんだろう?」ということをテーマに歌詞を書きたくて。その人の笑い方って家族だったり、よく会う友達とか憧れている人だったり、自分にとってすごく大切な人からちょっとずつもらっているものなんじゃないかな、と思うんですよ。で、近い距離で笑顔が移っていくとなると、やっぱりその……恋人同士ということにしたほうがわかりやすいのかなと思って(笑)。なので、みなさんには相手を自分の家族とかに置き換えていただいてもいいですし、好きに解釈していただければ。決して私の実体験ではないので、そこだけは誤解しないでいただきたいです。

――あはは(笑)。

テーマはもちろん私が感じたことではあるんですけどあくまで歌詞という、そこだけは言っておこうと思いまして……(笑)。でも、独特な笑い方の人がまわりにいたりすると、それがかわいかったりその人の個性になっていて、いいなと思ったりもしているんですよ。そういう私の普段の想いとかは、反映されていると思います。

――歌声に目を向けますと、おっしゃったようなテーマを踏まえた歌詞なので、少々歌のアプローチも甘めで。

そうですね。とにかく距離が近いほうがいいかなと思って、より話しかけている感じで歌いました。だから、録っている最中もですけど録ったあとは本当に恥ずかしくて(笑)。人に書いていただいた歌詞は「そういう世界観だから」って歌えるんですけど……だからこの曲だけ、しばらく聴けませんでした(笑)。でも妹に聴いてもらって「『おそろい』すごく好きだよ」って言われてからは、「あー、よかったぁ……」って安心して。それからは、ちょこちょこ聴いていますね。

――人によっていろいろ立場とかを置き換えられるということは、ひとりの人にとってもすごく長く聴ける曲になったと思います。

うれしい……それは結構、意識して書きました。言いたいことはしっかり決めていたんですけど、そのあとの言葉選びではなるべく想像の余白みたいなものができるよう、あまり限定しすぎずに書こうと心がけています。

■「優しい雨」では、荒削りさが良好な化学反応を生む

――ということは、もう1曲「優しい雨」も歌詞を書かれるときには同じようなアプローチを?

そうですね。「きっと一生忘れないし、思い出すたびに悲しい気持ちになるんだろうな」と思うぐらいの悲しいことやつらいことがあったとしても、時が経つにつれて毎日は思い出さなくなっていったり、思い出したとしても、逆に楽しかった記憶だったりするじゃないですか? 「それって、いいことなのかな?」とか、「”忘れる”って、やっぱりよくないことなのかな?」みたいな疑問が自分の中にあって。それを、この曲では書こうと思ったんです。曲の雰囲気自体は切なくもあるんですけど前向きで優しい感じなので、歌詞もそれに合わせて、最終的には前向きになるような形で書かせていただきました。

――歌う際にも、世界観はすんなり作れた?

普段は1コーラスにわけてそれぞれを3回ずつぐらい歌うんですけど、この曲はそんなに長い曲でもないので、まるっと録ることになって。詞を書くのに必死で、事前にたくさん練習をしていったわけではなかったんですけど、その危うさみたいなものがディレクションをしてくださったアイラさん的にはよかったとおっしゃっていただけたんです。その1回目を聴いて、反省を活かそうと思いながらもう1回だけ歌ったんですけど、結局いちばん最初に歌ったものがすごくよかったので、それが採用になっています。

――歌いこんで臨まれたら、また違う形が出来上がっていたかもしれないですね。

そうですね。これから発売記念イベントなどで歌っていくなかで「ここはもっとこういうふうに歌っていきたい」っていうものも出てくるでしょうし。これからまた変わっていくのかもしれないですね