映画(MOVIE)と舞台(STAGE)という異なる2つのエンタテインメントを組み合わせた、東映と東映ビデオによる新プロジェクト「東映ムビ×ステ」の第1弾『GOZEN -純恋の剣-』(監督:石田秀範)が、2019年7月5日に劇場公開される。

東映の誇る人気特撮テレビドラマ「仮面ライダー」「スーパー戦隊」で活躍した若手俳優たちが多数出演する本作では、『仮面ライダービルド』(2017年)の犬飼貴丈、武田航平、『仮面ライダー鎧武』(2013年)の久保田悠来といった面々が、本格的な「時代劇」に挑むという部分が大きなアピールポイントとなっている。

ここでは、まもなく公開日を迎える『GOZEN -純恋の剣-』をいっそう盛り上げるべく、映画で印象的な活躍を見せる2人の俳優が登場。かつて『仮面ライダーエグゼイド』(2016年)で共演経験のある小野塚勇人(赤松道場師範代・赤松兵庫役)と町井祥真(府月藩士・櫻井右京役)である。『エグゼイド』で小野塚は仮面ライダーレーザー/九条貴利矢を演じ、町井は人類の敵となるバグスターの幹部・グラファイトを演じて共に激しく争いあった関係だが、今回の映画での2人はどのような関わりを持つのだろうか。小野塚・町井両名の息の合った軽快なトークによって、映画『GOZEN -純恋の剣-』に多くの方々が興味をもってくだされば幸いである。

  • 左より、小野塚勇人(おのづか・はやと)。1993年生まれ。千葉県出身。。劇団EXILEのメンバー。主な出演作に『HiGH&LOW』シリーズ、『恋のしずく』、『jam』、『妖怪!百鬼夜高等学校』、『ダイイング・アイ』、『コンフィデンスマンIG』などがあり、映画やドラマ・舞台などで幅広い役柄に挑戦している。『仮面ライダーエグゼイド』(2016年)の仮面ライダーレーザー/九条貴利矢を演じ、特撮ヒーローファンからも熱い視線がそそがれた。町井祥真(まちい・しょうま)。1990年生まれ。福岡県出身。2012年に俳優デビューし、『100回泣くこと』(2012年)『High&LOW THE MOVIE』(2016年)『ホワイトリリー』(2016年)『曇天に笑う』(2018年)などの映画や、『医龍4』(2014年)『ブラック・プレジデント』(2014年)『未解決の女 警視庁文書捜査官』(2018年)をはじめとするテレビドラマ、舞台、CMに出演。『仮面ライダーエグゼイド』(2016年)ではバグスターの幹部グラファイト役でレギュラー出演し、強烈な存在感を発揮した。撮影:大塚素久(SYASYA)

――お2人が『GOZEN -純恋の剣-』の撮影で顔を合わせられたのは2018年の終わりごろだとうかがっています。『仮面ライダーエグゼイド』のVシネマ『仮面ライダーエグゼイドトリロジー アナザー・エンディング』の完成披露舞台挨拶(2018年1月30日)からおよそ1年ぶりということになりますね。

小野塚:町井くんVシネマ出てたっけ?

町井:出てたでしょ! 『パラドクスwithポッピー』に! ちょっとだけ(笑)。

小野塚:ああ、そうか。でも『ゲンムVSレーザー』には出てなかったからさ。

町井:トリロジー全体で完成披露舞台挨拶があって、僕らはそこで会ってるんだよね。

小野塚:あのとき、今やテレビや映画で大ブレイクされている小手伸也さん(天ヶ崎恋役)が、ふつうに席に座って観ていたんです(笑)。

町井:前から3列目あたりに。

小野塚:この前『コンフィデンスマンIG』でご一緒しましたけれど、小手さんは本当に忙しそうでしたよ。俺は『エグゼイド』のキャストで放送終了後に共演したのって、今のところ小手さんと町井くんぐらいなんです。

――御前試合の予選で赤松兵庫の対戦相手として出てくるのが、町井さん演じる櫻井右京ですね。今回の映画では、試合に出る侍たちはみな個性的な必殺剣の技を持っているようですが、右京の技は蝶のように両腕を優雅に羽ばたかせたのち斬りこんでいく「破王剣揚羽」です。この技の型はどうやって作られたのでしょうか。

町井:他の出場者のみなさんは、とにかくカッコよくキレイに……というのを念頭に置いていたみたいなんですけれど、僕の場合はいかに派手で"イキがっている感じ"を出すか、ということを殺陣師の方や石田(秀範)監督から言われました。つまり、右京という男はそんなに強くないんだってことなんです。そういうことを踏まえて、揚羽という名ですから"蝶が舞う"ように……というモーションを意識していました。そういえば兵庫には必殺技はなかったよね?

小野塚:兵庫はナチュラルに強いから、必殺技なんていらないんだよ。弱いヤツほど派手さを求めるってね。だから技に名前なんてつけないんです。町井くんが両手をヒラヒラさせている途中に突けばよかったんだ。スキだらけだもん(笑)。

町井:あれはやっている自分でもスキがあるな~って思った。

小野塚:町井くんの技のおかげで、現場がなごみました。

町井:このカットを撮ったのは、映画の撮影も最後のほうだったよね。

小野塚:撮影も大詰めで、みんなが鬼気迫る雰囲気で撮っているとき、町井くんの破王剣揚羽のおかげで笑いが起きて……。

町井:確かに現場はピリピリしてたときだったね。

小野塚:アクションシーンはやっぱりみんな緊張感高まるしね。そんな中で、町井くんが一生懸命「破王剣、揚羽~!!」って練習をしていて、それがすごく癒しになった(笑)。

町井:僕は本気で練習をしているのに、周りのスタッフさんたちも役者のみんなも、めっちゃ笑ってるんですよ。

小野塚:武田航平(寺脇甚八郎役)くんがずっと町井くんの動画を撮ってたね。

町井:音声さんもマイク持ちながら、(笑って)手が震えてて。なんでだよ!って(笑)。

小野塚:俺たち『エグゼイド』の特撮シーンを経験していますから、町井くんの剣にもなんかすごいエフェクト(視覚効果)がつくのかな、って思っていたんです。

町井:いや、めっちゃ普通だったね(笑)。

小野塚:なんか、必殺技っぽくなくて、すごいシュールな画だった。

町井:他の人たちには、必殺技を出すときはなんかカッコいいエフェクトがあるので、僕もそういうものを期待していたんです。でも、何もなかったなあ(笑)。

小野塚:あれって、自分ではすごい技を出しているって思いこんでいるだけで、大した技じゃないってことなんですね。もともと町井くんは『エグゼイド』でも"中二"キャラでしたから、ああ、変わってないなって。

町井:やめろ! グラファイトはマジメな悪だったよ。

小野塚:だって、ドドド黒龍剣、ドドドド黒龍剣って、ドが増えていけば強いんだって思ってるじゃん(笑)。

町井:最後の戦いでは「ドドドドドドドドド紅蓮爆龍剣」だった……。このときは、他の仮面ライダーと同じように、技の名前がカットインで画面に出たんですよ。

小野塚:グラファイトの武器はまるで「ダイコンとニンジン」だって、松田るか(ポッピーピポパポ/仮野明日那役)が言っていました。

町井:やめろ(笑)! 

小野塚:試合のときも、破王剣揚羽をやる前に「ドドド」って言えばよかったのに。

町井:いや~、それは『エグゼイド』をひっぱりすぎでしょう。