――八重を取り巻く人物としては、凛ノ介と同じ「隠密」という顔を持ち、ふだんは町医者として人々に優しく接している真咲一馬がいましたね。真咲を演じられた久保田悠来さんはどんな方でした?

久保田さんはとても気さくな方で、撮影の終わりごろになって仲良くなりました。この作品では男性のキャストが多くて、自分からどうやって話しかけていけばいいかわからず、困っていたところがありました。同世代だとまだよかったのですが、みなさん年上の方ばかりですし……。そんな中で、久保田さんのほうから声をかけていただいたので、こちらからもすんなりとお話をすることができました。

――撮影がお休みのときなどは、京都の町に出て遊ばれたりしましたか?

京都駅の近くにゲームセンターがあって、私はコナンくん(『名探偵コナン』)が好きなので、よくマネージャーさんと一緒にUFOキャッチャーでコナンぬいぐるみを取っていました(笑)。あと、抹茶ティラミスのお店に行ったことがあります。東京だと、いつもすごい行列ができていて、なかなか食べられないんです。美味しかったなあ(笑)。あとは、自分でデザインして和紙を貼りつけて作るランプの体験工房に行ったり、けっこう京都を満喫していましたね。それと、一度だけプロデューサーさんと出演者でランチをご一緒したことがありました。そのとき犬飼さんが「ラーメンの好きさなら誰にも負けない!」と主張されていて、「私も好きですよ、ラーメン」と言うと「いや、俺のほうがラーメン好きだ!」と強く返されたことがありました(笑)。

――優希さんが気に入っているシーンを挙げるとすれば、どんなところですか。

凛ノ介に助けてもらった八重が柳の木の下で「一度でいいから町を出た外の世界を見てみたい」と夢を語るシーンなんて、好きですね。八重の意外なおてんばぶりが見えて、だからこそもっと長く生きてほしいなって思えてくるんです。

――恋愛要素のほかに、侍たちが自分の持てる力を振り絞って御前試合に臨むという「戦い」のドラマも重要ですね。

そうなんです。男同士の"負けられない戦い"とか、魅力的な要素がつまっていて、とても見ごたえのある映画です。刀を使ったアクションについては、台本を読んだときに「怖くなるんじゃないか」って心配していたんです。刀で斬ったら血が出るとか……。私、そういうのは得意じゃないですから(笑)。でも、実際の映像を観ますと、石田監督は残酷さよりも華麗な画面作りをされていて、これなら怖くない!と思いました(笑)。

――優希さんによる映画のおすすめポイントがあれば教えてください。

犬飼さん、久保田さん、そして武田航平さんといった「仮面ライダー」や「スーパー戦隊」でヒーローを演じられた方たちがたくさん出ているのは、シリーズのファンのみなさんにとってはたまらないんじゃないかと思います。そして、凛ノ介と八重の恋愛も重要なポイントになっていますので、若い女性の方たちも楽しめる内容になっています。ぜひたくさんの方たちにご覧になっていただきたい映画です。

『GOZEN-純恋の剣-』あらすじ

幕府の隠密・青山凛ノ介は、幕府への謀反を企てている疑惑がある府月藩に潜入していた。その証拠となる書状が筆頭家老・神谷眞三郎の元にあるという情報を掴んだ凛ノ介は、神谷が参列する祭りに出かける。そこで美しい娘・八重と出会う。二人は瞬間的に惹かれ合うが、八重は他ならぬ神谷の娘であった。心を乱しながらも隠密としての使命を全うしようとする凛ノ介だったが、凛ノ介を隠密と疑う府月藩士・寺脇甚八郎が神谷と手を組み、八重との縁談を進め「御前試合で勝てば八重をくれてやる」と挑発する。だが、それは隠密たちを炙り出して公開処刑するため、藩主・望月甲斐正が企んだ死の宴であった――。

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