東京2020組織委員会はこのほど、東京2020パラリンピック競技大会の陸上競技「こん棒投」にて使用する競技用備品・こん棒を、都立工芸高校定時制課程の生徒が製作することを発表した。

  • こん棒投の様子(提供:日本パラ陸上競技連盟)

「こん棒投(Club Throw)」とは、車いすクラスの中でも障がいが重度であり、手にも障がいのある選手を対象に行われる競技。ボウリングのピンに似た長さ約40センチメートル、重さ397グラムのこん棒を投げて距離を競う。投げ方に制限はなく、後ろ向きに投げることも認められている。

  • 競技で使用されるこん棒の長さは約40センチメートル、重さは397グラム

東京2020組織委員会は東京都教育委員会と連携し、パラスポーツへのさらなる理解促進を目的に、こん棒投で使うこん棒の製作を共同で行うことを決定。6月4日、協定を締結した。

この協定に基づき、都立工芸高校定時制課程インテリア科の生徒に、こん棒の製作を依頼することとなったという。同校は、工芸・デザイン系の製作技術を学ぶ高等学校で、過去にパラリンピック競技でもあるボッチャの競技用備品・ランプを製作した実績もあるとのこと。

また、こん棒は国内に製作を行うメーカーがなく、調達先が極めて限定されているため、この機会をオリンピック・パラリンピック教育推進に活用することも決定した。

こん棒の製作本数は20本。7月から製作を開始し、東京2020テストイベントで使用した後、東京2020パラリンピック競技大会本番で使用する予定となっているという。