南海電気鉄道は15日、南海本線(堺市)連続立体交差事業の進捗にともない、5月24日の営業運転終了をもって現在の諏訪ノ森駅西駅舎を閉鎖し、翌25日の始発列車から、隣接して建設中の仮駅舎に切り替えると発表した。

  • 諏訪ノ森駅西駅舎(2019年5月9日撮影)

  • 諏訪ノ森駅西駅舎のステンドグラス(2019年5月9日撮影)

諏訪ノ森駅は1907(明治40)年に開業。当時の駅名は「北濱寺」だったという。1919(大正8)年に駅が移設され、現在の西駅舎が建設された。木造平屋建ての小規模な駅舎で、入口上方の明かり取り窓には、浜寺から淡路島に向かっての海岸の様子が描かれたステンドグラス5枚がはめ込まれるなど、工夫が凝らされている。現役で現存する木造駅舎のひとつとして希少性が高く、1998(平成10)年、浜寺公園駅の旧駅舎とともに、大手私鉄で初めて国の登録有形文化財に登録された。

仮駅舎は5月25日の始発列車から供用開始。約100年にわたって親しまれた現在の諏訪ノ森駅西駅舎は5月24日をもって引退の運びとなるが、連続立体交差事業において今後、新駅舎の近くで来場者の集い・憩いの場などで保存活用される計画だという。