橋田壽賀子ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』(TBS)の新作が、令和元年の今年も放送されることが9日、明らかになった。石井ふく子プロデューサーは「新時代を迎えるにふさわしいドラマをお届けしたい」と意気込んでいる。

  • 渡る世間は鬼ばかり

    岡倉家から巣立ちそれぞれ自分の道を歩んでいる5人姉妹たち。後列左から四女・葉子役の野村真美、五女・長子役の藤田朋子。前列左から三女・文子役の中田喜子、次女・五月役の泉ピン子、長女・弥生役の長山藍子(※写真は2018年秋放送から)

1990年にスタートし、2011年に1年間の連続シリーズが終了した後も単発番組として放送されてきた『渡る世間は鬼ばかり』。ドラマ誕生から30年、平成時代を通して親しまれてきた名物ドラマが、令和の新時代にも引き継がれる。

弥生(長山藍子)、五月(泉ピン子)、文子(中田喜子)、葉子(野村真美)、長子(藤田朋子)の岡倉家5人姉妹とそれぞれの家族の悲喜こもごもを描いて、多くのファンに支えられてきた『渡鬼』。放送開始当時は幼かった子どもたちも成長し、社会人となってそれぞれ家庭を持つようになった。

ドラマはその時々の世の中の空気をとらえ、さまざまなメッセージを物語に反映させながら登場人物を描いてきた。これまでもそれぞれの家庭の諸問題をリアルに投影してきたが、令和にはどのようなストーリーが展開するのか。今作が通算511作目となる『渡る世間は鬼ばかり』に注目だ。

石井ふく子プロデューサーは「私と橋田壽賀子さんが生まれたのは大正時代のことでした。昭和の戦争では学生時代の勤労動員と空襲、そして疎開など苦しい日々を過ごしました。しかしそうであったからこそ、日本では家族の絆は強かったと思います。戦後はテレビの世界に身を投じずっと家族の物語を作り続けました。平成2年に始まった『渡る世間は鬼ばかり』を通じて、視聴者の皆さんと一緒に平成時代を歩み続けることができたことは幸せで光栄なことでした。一方でこの30年間で社会は大きく変化して人々は豊かになりましたが、家庭の在り方も変わり、家族がバラバラになってしまうのではないかと案じることもありました」とそれぞれの時代を回顧。

そして、「令和の時代にも『渡る世間は鬼ばかり』を作り続けられることをとてもうれしく思います。まだまだやることはいっぱいあると思っています」と喜びを語り、「主な舞台となる『幸楽』を仕切るのは、赤木春恵さんから泉ピン子さんへ、そしてその娘・愛役の吉村涼さんへと交代して、登場人物の配置も変化してゆきます。橋田さんとも相談しながら、それでも変わらない家族の絆を描いていきます。新時代を迎えるにふさわしいドラマをお届けしたいと思います。どうぞお楽しみに」と意気込んでいる。

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