貯め下手さんは「家計簿」と聞いただけで、「面倒くさそう」「無理!」と思いがち。でも、家計管理をするうえで家計簿はマストアイテムです。難しく考えずに、自分に合った無理のないつけ方で、お金としっかり向き合いましょう。それでも「どうしても面倒」という人は1カ月間つけてみるだけでもOKです。それだけでも自分のお金の使い方が見えてくるはず。家計簿は貯まる人になる近道です。

4月は家計簿をつけ始めるチャンス!

貯蓄したいけれど、なにをどうしたらいいのかわからない人は、まずは家計簿から始めてみてはいかがでしょうか。一般的には、年の初めから家計簿をつけ始めるものですが、途中から始めても問題ありません。新年度を迎えて、給与の金額が変わることもあるので、4月は家計簿をつけ始めるいい機会かもしれません。

「思い立ったが吉日」です。「お金を貯めよう」と思ったら、まずは家計簿をつけることから始めましょう。

家計簿は支出を調整するアイテム

家計簿をつける目的は、お金の収支を把握することにあります。簡単に言うと、「入ってくるお金=収入」と、「使うお金=支出」をチェックすること。

収入>支出にすることが、お金を貯める絶対条件。収入=支出では、お金が足りなくはなりませんが、入ってきたお金を全部使い切っているので、いつまでたってもお金が貯まりません。

収入<支出は赤字家計。貯金がある場合には、貯金を切り崩すことになりますし、貯金がない場合は、借金で穴埋めすることに。

大半のサラリーマンは収入が給料に限定されおり、収入の額を増やすのは簡単なことではありません。なので、収入>支出にするには、支出=出て行くお金を調整する必要があります。その調整をしやすくするためのツールが家計簿なのです。

使ったお金の内容を把握する

お金の使い方を調整するには、自分が何にいくら使っているかを知る必要があります。それにはレシートをとっておくのが、手っ取り早くて簡単な方法です。買い物をしたら必ずレシートをもらうようにし、とりあえず1週間分のレシートをとっておきます。

家計簿には、レシートを見ながら、
・日付
・買った店
・金額
を記入。買ったものを細かく記入する必要はありません。そして、レシートは捨てずに「1週目」と書いた封筒にまとめて入れておきます。

これを1カ月続けて、1カ月の買い物の合計額を算出します。これが、住居費、水道光熱費などの固定費(=毎月決まって出ていくお金)とは別に、生活するうえで使っているお金です。

この生活コストを抑えるほど、貯蓄に回せるお金が増えることになります。

レシートを見直してムダな買い物に見つけ出す

1カ月間ためたレシートを1枚ずつチェックします。食べ切ることができず無駄にした食材、買わなくても済んだお菓子やペットボトル飲料、買ったけど使っていないもの、うまく着まわせない服、もっと安く買えたもの……などに赤ペンでアンダーラインを引きます。

レシート全部をチェックしたら、赤ペンで下線を引いたものの値段の合計額を出します。

買わずに済んだものの合計額=貯蓄可能額

赤ペンで下線を引いたものは、買わずに済んだもの。もしこれらを買わなかったら、給料日前に、この分のお金が残っていたことになります。つまり「貯蓄可能額」というわけです。

「無駄な買い物をしなかったら、これだけ貯蓄できた」と思うと、お金の使い方を見直すモチベーションになるはずです。

「家計簿は三日坊主になり、続かなそう」という人でも、1カ月間つけてみるだけでもOK!貯め下手さんがよく言うのが「これといった無駄使いはしていない」という言葉。つまり何にお金を使ったか、よく覚えていないということが一番問題なのです。

1カ月間だけでも、自分のお金の使い方の記録を残すことで、無駄使いが発見できます。ぜひトライしてみてください。

村越克子

村越克子

フリーランスライター。学習院大学文学部心理学科卒業。編集会社を経て、フリーに。主婦を読者対象とした生活情報誌を中心に執筆。家計のやりくりに奮闘する全国の主婦を取材し、節約に関する記事を数多く手がける。執筆協力に『綱渡り生活から抜けられない人のための絶対! 貯める方法』永岡書店など。