京成電鉄は11日、成田スカイアクセス線用の新型車両3100形を発表した。同車両は新京成電鉄と共同で設計した京成グループ標準車両とされ、2019年度は8両編成を2編成、計16両を導入する予定。今秋の営業運転開始をめざすとしている。
新型車両3100形は「受け継ぐ伝統と新たな価値の創造」をコンセプトに、質実さや実用本位といった基本思想を大切にしつつ、空港アクセスを担う車両として便利で快適な移動空間を提供するため、同社初というデザインや設備も採用している。
外観には成田スカイアクセス線の案内カラーであるオレンジを基調としたデザインとし、同線を走る車両であることをわかりやすく表現するとともに、成田空港への別ルートである京成本線との誤乗車防止も図る。デザインのアクセントとして、空港アクセスのシンボルとなる飛行機をはじめ、「成田山新勝寺」「浅草雷門とスカイツリー」「千葉県側からの富士山遠景」といった沿線各所のイメージイラストも車体に描いた。ホームからの視認性向上のため、車外の種別・行先表示器を大型化している。
車内は快適に利用できる設備を導入するとともに、訪日外国人旅客に向けた設備やバリアフリー対応の設備も一層の充実を図る。座席は通常より背もたれの高いハイバック仕様として座り心地を改善。座席端部の袖仕切りにガラスを採用し、開放感を持たせた空間とする。座席の一部はスーツケース置場などに使用できる折畳み式に。スーツケース置場は1両あたり4カ所、先頭車は3カ所設置するという。先頭車に従来と同等の車いすスペース、中間車に車いす・ベビーカー利用者に向けたフリースペースを設置する。
各ドア上に17インチLCD(液晶)車内案内表示器を2画面ずつ配置し、停車駅や乗換案内の他に広告なども放映し、より多くの情報を提供する。誰でも簡単に利用できる無料Wi-Fiサービスも提供。車内セキュリティ向上を目的とした防犯カメラは1両あたり3台設置される。空気の浄化効果のあるプラズマクラスターイオン発生装置の導入、空調制御ソフトの見直しにより、車内環境の改善も図る。
主要機器にも最新技術を導入。モーターへの電流を制御する装置に最新の半導体を使用したSiC-VVVF制御装置を搭載し、現行の3000形のIGBT-VVVF制御装置と比べて消費電力を約15%削減する。成田スカイアクセス線用の新型車両3100形は2019年度に計16両(8両編成×2編成)を導入した後、2020年度以降も継続して導入予定とされている。