東武鉄道は5日、「SL大樹」「DL大樹」の客車として新たに導入する「ドリームカー」(オハ14-505)の見学会を鬼怒川温泉駅で実施した。4月13日にデビューし、「SL大樹」「DL大樹」年間運転日のうち約40日間を「ドリームカー」編成で運転予定としている。

  • 東武鉄道が「SL大樹」「DL大樹」の客車として導入する「ドリームカー」を公開

    東武鉄道が「SL大樹」「DL大樹」の客車として導入する「ドリームカー」を公開

同社が導入する14系客車「ドリームカー」は1988(昭和63)年、札幌~釧路間で運転された夜行列車の急行「まりも」用として、改造により誕生した5両のうちの1両とのこと。その後、1993(平成5)年のダイヤ改正から青森~札幌間の急行「はまなす」に転用され、2016年3月に「はまなす」が廃止されるまで使用された。

「ドリームカー」の座席数は48席。JR北海道の特急車両キロ182形の腰掛を取り替える際に転用したというグリーン車用の6段階式リクライニングシートを採用しており、グリーン車と同等(1,160mm)のシートピッチを楽しめる。車端部にはラウンジ(談話室)があり、回転椅子8脚とテーブル2台を設置。昭和から平成にかけて活躍した夜行急行列車のノスタルジーを感じられる車両となっている。

  • 「ドリームカー」(2号車)を連結した14系客車がディーゼル機関車に牽引され、鬼怒川温泉駅3番線ホームに入線

この日の見学会では、「ドリームカー」を中間に連結した3両編成の14系客車(スハフ14-1、オハ14-505「ドリームカー」、スハフ14-5)がディーゼル機関車DE10形1099号機に牽引され、9時38分頃に鬼怒川温泉駅3番線ホームに入線。譲り受けた当初は傷みも目立っていたとのことだが、デビューを前に外観・車内ともきれいに整備されていた。リクライニングシートやラウンジに加え、読書灯などの設備も注目を集めた様子だった。

報道関係者向けに撮影会が行われた後、10時15分頃から一般向けの見学会が行われた。鬼怒川温泉駅コンコース内の特設ブースにて、14系客車「ドリームカー」導入記念乗車券の先行販売も行われ、平日朝から購入希望者の列ができていた。

  • 2号車の扉付近に「ドリームカー」のロゴマークも。ラウンジは3号車寄りに設置されている

  • 「ドリームカー」の座席は6段階式リクライニングシート。回転させて4人用としても使用できる

「ドリームカー」がデビューする4月13日と、翌日の4月14日はディーゼル機関車が牽引する「DL大樹」として運転され、4月20・21日と4月30日は「ドリームカー」編成を蒸気機関車が牽引する「SL大樹」としての運転を予定している。6・9月の土日祝日(9月1日を除く)は「ドリームカー」編成の「SL大樹」を運転し、2019年の運転予定日は計25日間とされている。「ドリームカー」の導入後も、SL座席指定料金(大人750円・小児380円)・DL座席指定料金(大人510円・小児260円)に変更はないとのこと。

なお、「平成」から「令和」への改元を記念し、4月30日深夜から5月1日早朝にかけて南栗橋発鬼怒川温泉行で運転される「DL大樹」の臨時夜行列車「ありがとう平成・こんにちわ令和号」(完全予約制)にも「ドリームカー」編成が使用される。4月4日11時に発売されたが、「ドリームカー」の座席は発売から約90秒で売り切れたとのことだった。

  • 14系客車「ドリームカー」の車内・外観