横浜シーサイドラインの金沢八景駅が暫定駅から西へ150m延伸され、31日に新駅開業式典(出発式)が開催された。新駅は京急線の駅と直結し、シーサイドラインから京急線への乗換え時間が短縮される。同日にシーサイドラインのダイヤ改正も行われる。
シーサイドラインの金沢八景駅は1989(平成元)年の開業以来、国道16号の東側に設置された暫定駅で営業を続けてきた。京急線の駅へは国道を横断する必要があり、これまで乗換えに5分程度の時間を要していた。
駅周辺では現在、総合的なまちづくり事業が進められており、その一環で金沢八景駅の駅舎改良やシーサイドラインの延伸事業なども実施。今年1月末に京急線の駅が橋上駅舎化され、シーサイドラインの新駅開業によって2つの駅が直結することになった。シーサイドラインから京急線への乗換え時間が大幅に短縮され、利便性が向上する。
新駅は暫定駅と比べてホームが広く、白い膜屋根を採用した明るい空間となり、多目的トイレを設置するなど快適で利用しやすい駅に。1面2線の構造だが、延伸区間は単線での暫定供用となるため、当面は2番線ホームのみ使用しての営業となる。今後は暫定駅の撤去や走行路の整備などが進められ、2019年度中に複線化を予定しているという。
新駅開業式典(出発式)は金沢八景駅5時0分発、新杉田行の上り始発列車に合わせて行われた。式典に先立ち、4時30分から「金沢八景駅新駅開業記念硬券」の先行販売、新駅開業の記念品配布なども実施。上り始発列車に使用された編成(2000形第33編成)の車体前面には、金沢八景駅の新駅開業を祝う記念ヘッドマークが掲出された。
式典では、横浜シーサイドライン代表取締役社長の三上章彦氏が、「いままで京浜急行からシーサイドラインに乗り換える際、いったん外に出て信号を渡らなければなりませんでした。京浜急行の駅とシーサイドラインの駅がつながることで、利便性が格段に増すと思います」と挨拶。今年で開業30周年を迎えることにも触れ、「この30年間、無事故の継続と定時運行の維持、安全・安心の運行管理に努めてきました。次の30年は安全・安心の土台の上に、利便性・快適性の向上が大きな課題になってくると思っています。より快適なシーサイドラインをめざし、社員一丸となって頑張りたい」と述べた。
続いて行われたテープカットでは、三上社長ら関係者に加え、シーサイドラインプロモーションガールを務める幸野ゆりあさんも参加。幸野さんから始発列車の運転士・運転補助員へ花束贈呈が行われ、シーサイドラインオリジナルキャラクター「キラキラ☆シーたん」も登場した。始発列車の出発合図は横浜シーサイドラインと京急電鉄の両駅長が行い、定刻に金沢八景駅を発車。新駅開業式典(出発式)の終了後、幸野さんが「キラキラ☆シーたん」とともに撮影に応じる場面もあり、多くのファンらが集まっている様子だった。
シーサイドラインは金沢八景駅の延伸(単線)開業に合わせ、3月31日にダイヤ改正を実施。新駅開業にともない、野島公園~金沢八景間の運転時分が最大約40秒増加となる。金沢八景駅5時0分発の上り始発列車も、並木中央駅5時17分発・新杉田駅5時25分着とされ、ともに改正前より1分増となった。
ダイヤ改正後、この上り始発列車の前に並木中央駅5時13分発・新杉田駅5時21分着の列車が新設され、同区間の上り始発列車の時刻を繰り上げる。その他、朝ラッシュ時間帯にも列車を1本増やす。なお、ダイヤ改正後も新杉田駅および金沢八景駅における始発列車の発車時刻、最終列車の到着時刻に大きな変更はないとのこと。