――ガイ登場編を書かれた井上敏樹さんがスピンオフドラマを手がけるというのも、ファンを歓喜させた出来事となりました。今回の台本を読まれたとき、どんな風に思われましたか?

いやあ、衝撃的でしたね! 台本を取りに東映さんにうかがった際、プロデューサーの白倉(伸一郎)さん、武部(直美)さんにお会いして話していたんですけれど「僕、小さな娘たちに見せたいから、ずっと仮面ライダーに出たかった」みたいな話をすると、お2人とも沈黙してしまって。明らかに様子がおかしい(笑)。とりあえず台本をいただいて、お風呂の中で読み進めていったのですが、とあるシーンに差しかかったとき「あ、これか!!」と、白倉さんと武部さんが黙ってしまった理由がわかりました。自分としても、その次の内容が何回読んでも頭に入らなくて、3日くらい台本を開かずにいましたからね。

――子どもたちに安心してお見せするには、ちょっと衝撃的すぎるシーンがあったということですか。

白倉さん、武部さんからは「今回のターゲットは20~30代」と聞いていました。当時、『龍騎』を見ていた人は17年後の今では大人に成長しているから、そりゃそうなんだなとは思いましたが、まさかあんな刺激の強いシーンがあるなんて(笑)。映像でどのような表現になっているか、大人の方はお楽しみいただけると思います。

――『龍騎』終了後もドラマのお仕事などで東映東京撮影所には来られていると思いますが、仮面ライダーの現場として入るのはほんとうにひさびさになるんですね。

そうです。『龍騎』出演がきっかけで、東映さんが製作するミステリードラマの刑事役に何度も呼んでもらえるようになりました。それだけに「仮面ライダー」には思い入れがあって、いま放送している新しい作品を見ながら「このロケ先は『龍騎』のときにも行ったところだ」なんて気づいたりします。今回のスピンオフドラマの監督を務めている柴崎(貴行※柴崎監督の崎は立つ崎が正式表記)さんは『龍騎』当時はセカンド助監督で、あのころからすごくしっかりされているなあという印象がありました。柴崎さんをはじめ、当時からやっているスタッフの方たちと再会できたのには、感慨深いものがあります。

――テレビシリーズでは頭の切れる大学生という設定でしたが、今回の芝浦を一條さんはどのように演じられましたか?

最初は、昔の芝浦のキャラに合わせて演技をしたほうがいいのかな、と思っていましたが、柴崎監督からは「もうちょっと大人寄りに」と指示があり、あの頃からいくつもの月日が流れて人生経験を積んだ"大人の芝浦淳"として演じさせていただきました。

――仮面ライダーガイのような「悪」の戦士を演じることについては、どう思われますか。

楽しいですよ。意地悪……という感じではないけれど、他人を小馬鹿にするとか、おちゃらけた要素を芝居で表現するのは。感情や欲望を"抑える"という大人の芝居より、芝浦のように人間の黒い部分を"解放する"芝居のほうが、だんぜん楽しいです。

――『龍騎』の仮面ライダーはみな内面的にも外見的にも強烈な個性を備えていますが、一條さんから見た仮面ライダーガイの印象はいかがですか?

とてもカッコいいと思います。武骨なデザインを巧みに造形していただいて。ただ、娘は「一本ツノが生えているところがダサい」なんていうんですよ。そこがカッコいいのに(笑)。当時、ガイのフィギュアも発売されていて、1ついただいたんですけれど、姪っ子にあげたみたいで、今は残っていないんですよ。ガイと言えば、『龍騎』の放送当時にはできなかった「僕とガイとメタルゲラス(契約モンスター)」との3ショット写真撮影を、今回でようやく果たせたことも思い出に残っています。当時は画素数の少ないデジカメしかなかったのですが、今回は愛用の一眼レフを持ってきて、本職のカメラマンさんにシャッターを押してもらえました。

――それでは、最後にスピンオフドラマ『RIDER TIME 仮面ライダー龍騎』のおすすめポイントを教えてください。

おすすめシーンと言われると、僕の頭の中にはひとつしか思い浮かばないのですが(笑)、それはさておき、今回は複数の仮面ライダーたちが一斉に出てくるという"スペシャル感"が大きな楽しみどころだと思います。ゴールデンタイムで放送された『龍騎』のスペシャル番組『仮面ライダー龍騎 13RIDERS』に興奮した方なら、きっと同じようにワクワクできるのではないでしょうか。ファンのみなさんの期待を裏切らないように、僕ら俳優たち、スタッフたちはみな熱い思いをもって作っております。ぜひともこれらの強い"思い"を受け止めてくださるとうれしく思います!

ビデオパス+東映特撮ファンクラブ共同企画プレミアムドラマ『仮面ライダージオウ スピンオフ RIDER TIME 仮面ライダー龍騎』は、第1話が3月31日0時から、第2話は4月7日0時、第3話は4月14日0時から、ビデオパスにて独占配信される。

(C)2019「RIDER TIME龍騎」製作委員会
(C)石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映