阪急電鉄は20日、京都線で運行している観光特急「京とれいん」の2編成目となる「京とれいん 雅洛」の内覧会を実施した。同社の7000系1編成(6両編成)を改造し、京都を五感で感じ取れるデザインに。3月23日から土日祝日に梅田~河原町間で運行される。
「京とれいん 雅洛」は現行の6300系「京とれいん」のイメージを継承しつつ、「ご乗車されたときから京都気分」をコンセプトに7000系1編成を改造。乗車のたびに京都気分を楽しめるように、6両編成の1両ごとに季節を定め、全車両において異なる外観・車内デザインとした。愛称の「京とれいん」は「お客様を京都までお運びする列車」として命名され、「雅洛」は「雅な都へ向かう列車」を示す造語だという。
従来の7000系は1両あたり片側3ドアだが、改造後の「京とれいん 雅洛」は片側2ドアとなった。ドアのあった中央部に、京都の寺社建築で用いられる「円窓」を設置している。
外観は1両ごとに季節を定め、その季節に合った京都を感じさせる植物のデザインを施した。1号車(7006)は「流水に楓」を用いた秋の京都を感じる車両、2号車(7506)は枯山水の庭と雪見障子が相まって凛とした京都の冬を感じる車両、3号車(7566)は桜散らしの柄を使用し、はんなりとした京都の春を感じる車両、4号車(7576)はかきつばたをあしらった夏の京都を感じる車両、5号車(7606)はすすきを用いた初秋の季節感を味わえる車両、6号車(7106)は梅を用いた新春の京都を感じさせる煌びやかな車両としている。
車内も京都への移動をより楽しめるように、日本を象徴する代表的な花である桜、日本の伝統文様である七宝紋などを用い、各車両とも多種多様な内装デザインを施した。1・6号車(座席定員各40名 / 定員各108名)はドア間の座席をクロスシートとし、2・5号車(座席定員各45名 / 定員各125名)はロングシートで、円窓付近に「枯山水の庭」(2号車)・「坪庭」(5号車)と畳座席を設けた。3・4号車(座席定員各33名 / 定員各113名)は1人掛け座席と窓向き座席を用意。窓向き座席からは西山の山並みなどを堪能できるという。
専用Wi-Fiによる前方映像配信サービスも車内で提供。各号車に利用手順の案内があり、手持ちのスマートフォン・パソコンから、乗務員室に設置したカメラの展望映像を楽しめる。その他、車内無料Wi-Fiサービスとして、訪日外国人向け「HANKYU HANSHIN WELCOME Wi-Fi」、誰でも利用可能な「HANKYU TRAIN FREE Wi-Fi」の2種類を提供する。
「京とれいん 雅洛」は3月23日の梅田駅9時32分発の列車から運行開始。土日祝日に快速特急として京都本線梅田~河原町間を運行し、途中の十三駅・淡路駅・桂駅・烏丸駅に停車する。普通運賃のみで乗車でき、予約も不要。梅田~河原町間の片道運賃(大人)は400円となっている。京都本線では土日祝日の日中時間帯、1時間おきに快速特急「京とれいん 雅洛」または快速特急A「京とれいん」(十三駅は通過)を運行。梅田駅を9~15時台の毎時32分、河原町駅を10~16時台の毎時41分に発車する。