アイドルグループのA.B.C-Zが、岩手めんこいテレビ(フジテレビ系列)の「復興応援プロジェクト」のサポーターに起用された。30日の午後帯に、第1弾の特番が放送される。

  • 陸前高田市・奇跡の一本松を訪れたA.B.C-Z=岩手めんこいテレビ提供

同局では、2011年3月11日に起きた東日本大震災の発生から10年目に向けて記憶の風化を止めるため、報道番組だけでなく、被災地の状況を継続的に発信し続ける「復興応援プロジェクト」を始動。A.B.C-Zがサポーターに起用されたのは、昨年9月に放送された『FNS27時間テレビ』で、塚田僚一が岩手三陸の伝統漁法「突きん棒漁」に挑戦したことだった。

2012年にデビューした A.B.C-Zは、震災発生時はデビュー前。先輩たちが被災地へ支援活動に向かう中、彼らは震災の状況をニュースで見る程度で、現実を知る機会がなかったという。

そこで、震災から8年になるとする今、5人が三陸沿岸を訪問。復興にはほど遠いという現実を目の当たりにし、現地でひたむきに暮らす人々の話を聞き、夢を抱く子どもたちと出会い、自然の怖さと豊かさを改めて知った。そして、被災地に笑顔と元気を届けることを決意。このプロジェクトは、成長していく彼らを通して「復興のためにできることは何か」を一緒に考えていく内容となる。

プロジェクトの特番第1弾では、初めて被災地を訪れた彼らに密着。復興に向け取り組む人々との交流や、夢を抱く子どもたちとの触れ合いを通して、「私たちに何ができるか?」「私たちは何をすべきか?」のヒントを知るプロローグだ。

昨年12月には、5人が1泊2日で陸前高田市から野田村までを旅し、行く先々で復興の状況と逆らえない自然の力を目の当たりに。そして今年春には、戸塚祥太と河合郁人が再び被災地を訪れた。

河合は、3カ月前に被災地を訪れた際、漁師との交流から海が秘めた力を聞き、「いつか自分が潜り、震災後の海の様子を多くの人に伝えたい」と思っていたという。そして、震災前後の海の中の映像を見て、撤去作業に力を尽くしてきた潜水士の努力を知る。

一方の戸塚は、宝来館の女将と再会。津波に一度は飲み込まれそうになった女将は、九死に一生を得て、命の大切さと津波の恐怖、支援への感謝を世界に発信し続けている。再会を果たすと、初めて女将に会った日から「復興のために何かできることはないか」と考え続けていたことを告白。そこで女将は、大切にしているという宮沢賢治の『雨ニモマケズ』を渡す。

今後も、今年秋、来年春に続編を放送予定。自分たちで車を運転し、時間をかけて被災地をめぐり、彼らにしかできない“心ある復興応援”を形にしていく計画だ。子どもたちとの歌やダンスの共演なども想定されている。