毎年この時期になると花粉センサーが働いて春を感じます。新年度は節目を迎える人や保護者にとって何かとお金がかかる時期です。全て新品で揃えると、あっという間に予算オーバーになりかねませんから、あるもので済ます。お下がりや中古品を取り入れるといった工夫をするといいでしょう。

新年度はまた、通信費の問題が持ち上がるタイミングでもあります。お子さんに「そろそろスマホにしたい」と言われている保護者の方も多いかと思います。

通信料が高くなる原因の一つに、一人1回線の契約をすることが挙げられます。単純に大手キャリアで一人ずつ単独で契約をした場合、機種代を含めて一人当たり月約7,000円×4で2万8,000円となります。※3Gプランでパケットのシェア等はなし。

仮にこの通信費を1年間払うと33万6,000円。3年間払うと約100万円にもなります。

とは言え、これは極端な例で大手キャリアでも子回線のプランにしてパケットシェアプランや26歳未満のプランを利用すればこの金額よりも安くなります。 通信費を節約する手段の一つに大手キャリアでも、プランを見直したり子回線として契約することで、通信費を下げることができますので、大手キャリアで回線を増やしたい時は大手キャリアの料金シミュレーターでプランをいくつかシミュレーションをして、最適なプランを探すのもおすすめです。

更に料金を抑えたいなら格安SIMがおすすめ

独自に無線通信インフラを持たずに大手キャリアからインフラを借りて、格安で通信回線を提供する事業者のことをMVNO(仮想移動体通信業者)と言います。この格安SIMを扱う業者の中には1回線で複数枚のSIMを持つ(増設)することができます。

例えば、OCNモバイルONEの場合、1回線で追加できるSIMカードは最大4枚です。つまり、自分が使うSIMにプラスして4台分のSIMカードが追加できることになります。

  • SIMカード増設イメージ(OCNモバイルONE HPより)

SIMカードを増設するには所定の手数料が必要となることがあります。OCNモバイルONEの場合は、1枚あたり394円(税別)が必要です。また、パケットの容量シェア月額費用が音声対応SIMカードは1枚あたり1,100円(税別)、SMS(ショートメールサービス)対応テータ通信専用SIMカードは1枚あたり520円(税別)、データ通信専用SIMカードは1枚あたり400円(税別)です。

実際の料金の仕組みを説明すると、主契約者が音声対応SIMカード20GB/月で契約した場合、月の基本使用料は4,850円+別途初期費用3,394+税。※本体は自分で持っているものを使用した場合。

SIMを3枚増設して、家族4人で音声対応SIMカードとパケットをシェアした場合、一人あたり1,100円+税が月額使用料となります。

4人スマホを持った場合の月額料金は…


主契約者(父):音声通話SIM・20Gプラン・通話はベーシックプラン…4,850円

母と子ども2人:3回線分の音声通話SIM…1,100円×3回線=3,300円

合計8,150円+税

※別途初期費用等手数料等がかかります。

別途端末代が必要ですが、docomo回線やSIMフリー端末のお下がりスマホがある場合は、そのままSIMを挿し変えるだけで使えることがほとんどです。

更に料金を安くしたい場合は、データ通信SIMの検討も

子どものスマホに電話番号は不要。連絡はLINEといったチャットアプリで済んでいるという家庭であれば、SIMをデータ通信のみにしてみてはいかがでしょうか。

先ほどと同様にOCNモバイルONEの場合を例にして試算してみましょう。



主契約者(父):音声通話SIM・20Gプラン・通話はベーシックプラン…4,850円

母:音声通話SIM…1,100円

子ども2人:SMS対応データ通信専用SIMカード…520円×2回線=1,040円

合計6,990円+税

※別途初期費用等手数料等がかかります。


家族全員分を格安SIMにしなくても、お父さんはそのまま大手キャリアにして、お母さんと子どもを格安SIMにしてお母さんを主契約者としてSIMを増設する方法も考えられるでしょう。格安SIMでもMNP(ナンバーポータビリティー)にも対応していることがほとんどですので、電話番号を変えることなく利用することができます。

仮に、お母さんと子ども2人が格安スマホにして、パケット容量を減らした場合のシミュレーションをしてみましょう。同様にOCNモバイルONEで試算します。


主契約者(母):音声通話SIM・6Gプラン・通話はベーシックプラン…2,150円

子ども2人:SMS対応データ通信専用SIMカード…520円×2回線=1,040円

合計3,190円+税

※別途初期費用等手数料等がかかります。

ネットはほぼほぼ自宅の無線LANにWi-Fi接続をしているのであれば、更に料金を安くできます。

格安SIM各事業者ごとに1契約で増設できるSIMの枚数や料金は異なります。また、キャンペーンなどで通常よりも安く利用できることもあるので、各社比較してそのご家庭に合ったプランを選びましょう。

通信費を上手に節約することで、これからかかる教育費のカバーも可能です。最初の一歩が大切ですので、面倒臭がらずにぜひ行動を起こしてみましょう。わからないことは、各格安SIM業者のコールセンターや窓口があれば窓口で相談してみましょう。

丸山晴美(まるやま はるみ)

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外国語の専門学校を卒業後、旅行会社、フリーター、会社員、コンビニ店長へと転職。22歳で節約に目覚め、年収が350万円に満たないころ、1年で200万円を貯める。26歳でマンションを購入。2001年に節約アドバイザ―として独立。ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザーの資格を取得し、お金の管理、運用のアドバイスなどを手掛け、TV、雑誌などで幅広く活躍している