JR東日本のクルーズトレイン「TRAIN SUITE 四季島」が2月9~11日に「東日本の旬」コース(早春の2泊3日コース)として運行され、3日目に外房線・内房線経由で房総半島を1周した。外房線安房小湊駅にて、地元関係者らによる歓迎イベントが開催された。

  • JR東日本のクルーズトレイン「TRAIN SUITE 四季島」が安房小湊駅に到着(写真:マイナビニュース)

    JR東日本のクルーズトレイン「TRAIN SUITE 四季島」が安房小湊駅に到着

「TRAIN SUITE 四季島」は年間を通じて運行するコースに加え、東日本エリアに息づくその季節ならではの旬を楽しむ「東日本の旬」コースを設定している。2~3月に運行される「早春の2泊3日コース」では、上野駅を出発後、1日目に湯河原・熱海の下車観光、2日目にSL列車への乗車(高崎~横川間)と安中・軽井沢での下車観光などを行う。

最終日となる3日目は、茨城県内で下車観光を行った後、友部駅から常磐線・武蔵野線・京葉線経由で走行し、房総半島へ向かう。この日は千葉市内の外房線沿線で積雪が見られ、南房総エリアも肌寒く、小雨の降るあいにくの天気だったが、歓迎イベントが行われた安房小湊駅では地元住民ら270名が集まり、列車の到着を待った。JR東日本の千葉駅・勝浦駅・安房鴨川駅の駅長がイベントに参加したほか、外房線・内房線沿線のご当地キャラクター「エビアミーゴ」(御宿町)・「ダッペエ」(館山市)も登場した。

「TRAIN SUITE 四季島」は14時37分、地元住民が旗を振って歓迎する中、安房小湊駅1番線ホームに到着。乗客は駅長らに出迎えられてホームに降り立った。歓迎イベントが行われた1番線ホームでは、海産物や清酒の展示をはじめ、地元酒造会社による甘酒のふるまいも。房総半島を走る機会の少ない「TRAIN SUITE 四季島」を撮影する人の姿も目立った。

  • 安房小湊駅1番線ホームに到着後、乗客は5号車の乗降口からホームへ

今回の運行では16組32名が乗車。うち12組がリピーターだったという。安房小湊駅でインタビューに応じた50代夫婦も、昨年5月に3泊4日コースで北海道へ旅して以来、乗車は2回目とのこと。「TRAIN SUITE 四季島」の魅力について、「設備も料理も、クルーのおもてなしも素晴らしい。各地域の皆さんに来ていただけるのも楽しみになっています。なかなか抽選に当たりませんが、1回乗ると『次はいつ乗ろうか』という気持ちになりますね」と話す。

2人は千葉県内に20年以上住み、房総半島も家族でたびたび訪れ、いすみ市で行われるマラソン大会に毎年参加するなど、なじみのある地域だという。その房総半島を「この列車でゆっくり周ってみたい」との思いから、再び「四季島」への乗車を決めたと説明する。車窓の雪景色も楽しんだようで、「千葉の雪景色をこの車窓から眺めるなんて、なかなかないことですよ」「雪の中でも菜の花畑の見えるところがあって、千葉に来たんだなという感じがしましたね」と話していた。

ここまでの行程を振り返り、「全部良かった」「完璧です。皆さんの熱意が感じられるからこそ、リピーターになっていくんだと思います」と2人は言う。各駅で行われた歓迎イベントについても、「寒い中、長い時間待っていてくださったのかと思うと、ぐっとくるものがあります」「地元の方々の気持ちが本当にうれしい。また(四季島に)乗ってしまうかも」と感謝していた。過去に内房線沿線の町に住んでいたことがあり、「四季島」での内房線の旅を非常に楽しみにしている様子だった。

  • 歓迎イベントが行われ、地元酒造会社による甘酒のふるまいも。ご当地キャラクター「エビアミーゴ」「ダッペエ」も登場

「TRAIN SUITE 四季島」は15時14分に安房小湊駅を発車。地元住民らは手を振るなどして、列車の姿が見えなくなるまで見送った。同列車は内房線を走行した後、蘇我駅から京葉線・武蔵野線・常磐線経由で上野駅へ向かった。

「東日本の旬」コース(早春の2泊3日コース)は2月13~15日と3月5~7日にも運行される予定。2月13~15日は今回の運行と同一の行程だが、3月5~7日の運行では3日目の行程が一部変更となり、偕楽園駅で下車し、梅の花が見頃を迎える偕楽園での下車観光を行う予定となっている。

  • 「TRAIN SUITE 四季島」の外観。安房小湊駅で30分以上停車し、15時14分に発車した