――2012年にお2人はコンビ結成されて、2016年には『NHK上方漫才コンテスト』で優勝、その翌年には『M-1グランプリ』で3位になりました。結果だけを見ると、かなり順調なように感じます。

昴生:コンビを組んで1カ月後にオーディション受かって、劇場のメンバーになれました。ただ、そこから賞を獲る4年間はしんどかったですね。劇場のメンバーから落ちて、また受かってを繰り返していたので。

亜生:正直、最初の1カ月で受かった時に、「俺、キングコングになれる」って思いましたもん。すぐ売れるって。

昴生:当時腐らなかったから、今の自分たちがあるなとは思いますね。

亜生:作家さんとかに「漫才が古い」とかめちゃくちゃボロクソに言われてました。でも、お兄ちゃんは「変えへん」って言ったから、「じゃあ、これでやろう」と。そしたら、賞レースも取れたので、「ざまあみろ」と思いましたね(笑)。

昴生:芯だけはブレたらアカンなと思っていました。ただ、霜降り明星とか和牛さんの新しい漫才を見ると、「このままじゃアカンかな」とブレそうになることもあったんですが(笑)。

■ミキが漫才で大事にしていること

――大事にしている芯というのは、具体的にはどんなことですか。

昴生:昔から変わっていないのは、「2人だけの会話を大事にしたい」ということです。みんなは新しいお笑いを作るのをすごく頑張っていますが、僕らはそれは無理やと思っていますし、昭和の古い漫才が好きなので。天才じゃないから、僕らの物差しで「無理せんとこ」と(笑)。いかに昔から受け継がれてきた伝統的な漫才を昇華して、その灯を絶やさないことが出来たらいいなと思っていますね。

亜生:(笑)。「伝統の灯を絶やさない」とかカッコイイこと言いますよね(笑)。ホンマにインタビューでこういうことを残すんですよ。僕はそのたびに恥ずかしくなるんです(笑)。「人を傷つけない漫才をしたい」とか、そういうのを残したがるんですよ。

昴生:「人を傷つけない漫才」って言って、1年間マジでしんどかったです(笑)。

亜生:僕らの漫才を見て、「コイツら、伝統を受け継ぐやつか」と思われるのも(笑)。僕は純粋に漫才が楽しくなりましたね。舞台に出る前はしんどいと思っていても、出たらめちゃくちゃ楽しい。NGK(なんばグランド花月)でやった後とかも、絶対に袖で「ええわ~!」って言っちゃうんですよ。漫才をしていて鳥肌が立つような感覚です。