――非常に興味深いお話が次々に飛び出してきて実にエキサイティングなのですが、そろそろ本題に入らせていただきたいと思います。お2人がこのたび、何やら新企画を始動させるというお話を耳にしたのですが……。

塚田:最初に言ったように、僕と大森はこれまで一緒に仕事をしたことがなかったので、今度組んで何か作ろうよ、ということに。欲張って、大人から子どもまで楽しめる全方位向けの企画にしています。ああだこうだと打ち合わせを重ね、これで行こう!と決まりました。

大森:僕が『ビルド』をやっている真っ最中の春ごろから企画を進めていて、決まったのが今のタイミングですから、かなりスピーディでしたね。こんなに早く実現するとは思いませんでした。

塚田:そこは東映という会社の良さといいますか、スピード感も大事かなって。時間をじっくりかけて作り上げるのもいいけれど、新鮮な企画をお早いうちにお届けするというのも大事ですからね。

大森:今はまだ詳細をお知らせすることができないのですが、特撮キャラクタージャンル以外の作品を手がけることになりました。

塚田:「仮面ライダー」シリーズで活躍している大森ですけれど、キャラクター番組以外の作品もやったほうが、この先のプロデューサー人生においても展開が広がるだろうという考えもありますね。

大森:何かのリメイクではない、原作もない、東映のオリジナル作品だということと、これまで「仮面ライダー」「スーパー戦隊」で活躍したキャストたちが出演すること、くらいは明かしてもいいと思います。

塚田:その中で、塚田のボトルと大森のボトルを組み合わせると、どんなベストマッチが生まれるか?というところに期待してください(笑)。

大森:「M」のメモリと「S」のメモリで、どんなフォームが出来上がるか、と言ってもいいですね(笑)。

塚田:お、頭文字「M」と「S」。大ヒントだね!

大森:現状で1つだけ言えるのは、今までにないスタイルのメディア展開をやっていきたいということです。僕たちがいったいどんな企画を発表するのかについては、今後の動向にぜひ注目していただきたいです。

塚田英明氏(つかだ・ひであき)。1971年生まれ。埼玉県出身。1994年に東映入社。1995年『名奉行遠山の金さん(第7シリーズ)』でプロデューサー補となり、2004年『特捜戦隊デカレンジャー』、2005年『魔法戦隊マジレンジャー』、2007年『獣拳戦隊ゲキレンジャー』ではチーフプロデューサーを務め、良質な作品作りに努めた。近年は『科捜研の女』や『古館トーキングヒストリー』といったテレビ作品や、東映特撮ファンクラブオリジナル配信作品『シリーズ怪獣区ギャラス』などを手がけている。東映テレビ企画制作部次長。

大森敬仁(おおもり・たかひと)。1980年生まれ。愛媛県出身。2003年に東映入社後、2004年『はぐれ刑事純情派(17シーズン)』や2005年『仮面ライダー響鬼』などではプロデューサー補、2008年『仮面ライダーキバ』よりプロデューサーとなり、「スーパー戦隊」「仮面ライダー」両シリーズに携わる。2013年『獣電戦隊キョウリュウジャー』、2014年『仮面ライダードライブ』、2016年『仮面ライダーエグゼイド』、2017年『仮面ライダービルド』ではチーフプロデューサーとして手腕をふるった。