採用試験の面接官から、「結果につきましては、一両日中にご連絡します」と言われたけど、今日も連絡来なかった。一両日中って、いったいいつなんだろう?というわけで、今回は「一両日中」の正しい使い方について解説します。
■「一両日中」の意味
「一両日」という言葉は、「1日」と「両日(2日)」という二つの期間から成り立っていることから、「一両日中」は「1日から2日の間に」という意味になります。
■「一両日中」の使い方と例文
ビジネスシーンでは、「一両日中に結論を出します」「一両日中には仕上げていただきたい」など、何らかの期日を示す場合に用いられます。この期日についてですが、「一両日」には「1日」と「2日」が含まれているため、おもに1~2日という比較的短い期日を示すのに適しています。3日以上先の期日に用いるのは誤りになりますので、注意しましょう。
例文
・一両日中にお返事させていただきます。
・A社には、一両日中に訪問する予定です。
・生ものですので、一両日中にお召し上がりください。
・一両日中には出荷します。
・なるべく一両日中に納品していただけますか?
■「一両日中」っていつ?
ここで、皆さんに質問です。「一両日中に納品してください」と言われたら、あなたは「明日」納品しますか? それとも「明後日まで」に納品しますか?
実は、「一両日中」が示す期日については、人それぞれ解釈に違いがあるのです。1日目を今日と解釈すれば「明日まで」になりますが、1日目を明日と解釈すれば「明後日まで」ということになります。では、どちらが正しいのか……。
NHK放送文化研究所が2006年に実施したアンケート調査によると、「明日まで」(61%)が多数派という結果が出ています。また、「一両日中」を取り上げている多くのメディアや書籍でも、やはり「明日までが正しい」「明日までと解釈するのが一般的」とするものがほとんどでした。このことから、「一両日中 = 明日まで」という解釈が有力であり、多くの人がそう捉えていると言えます。
とはいえ、61%の人が「明日まで」と解釈しているということは、裏を返せば、およそ4割の人が「明後日まで」と捉えていることになるのです。
もちろん、「明日まで」の方が正しい解釈かもしれません。「明後日までと勘違いしている方が悪い」と思う人もいるでしょう。しかしながら、人によって解釈が変わるような言葉において、大切なことは何が正しいのかではなく、「明後日まで」と思っている人が割と多いという事実ではないでしょうか。
■トラブルを避けるために
前述のとおり、一両日中は非常に曖昧な表現です。ビジネスにおいて曖昧な表現を用いることは、時に大きなトラブルを招くことになりかねません。
例えば、こちらは明日のつもりで「一両日中に納品してください」と伝えたはずが、相手は明後日と解釈して納品してきた場合、こちらは「納期を守ってもらえなかった」、相手は「納期を守った」という食い違いが生じてしまいます。トラブルに発展しかねない曖昧な表現は、ビジネスシーンでは使わない方が得策です。
また、相手に「一両日中に」と言われた場合には、「明日までですね」「○日でよろしいですか?」などと、明確な期日を確認することが大切です。万が一、確認を怠ってしまった場合には、念のため「明日まで」と解釈し、納期に遅れることのないよう努めましょう。
ビジネスにおいて、約束や期限を守ることは基本中の基本です。曖昧な言葉のやりとりで、積み上げてきた信用を失ってしまうことのないよう気を付けましょう。