今年も『明石家サンタの史上最大のクリスマスプレゼントショー』(フジテレビ系、12月24日深夜1:10~3:10 )の季節がやってくる。クリスマスイブの夜に世間が浮つく中、明石家さんまふんする“明石家サンタ”が、寂しく過ごす人たちのオアシスになって28年という歴史を刻んできたが、このほとんどにあたる22年にわたって出演し続けるのが、2019年シーズンからプロ野球・北海道日本ハムファイターズの1軍投手チーフコーチとなる木田優夫氏だ。

現役時代から引退後を通して、巨人、オリックス、ヤクルト、日本ハム、独立リーグ、さらには米メジャーリーグと拠点を移しても、そして、もちろん今年もこの番組への皆勤を続ける理由を、本人に直撃した――。

奇跡的なことが起こった

木田優夫氏=17年の『明石家サンタ』より (C)フジテレビ

――96年から20年以上にわたりご出演されていますが、最初のきっかけはどのようなものだったのでしょうか?

最初は普通に『明石家サンタ』に視聴者として電話してたんですけど、2年続けて失敗していたところ、当時ジャイアンツの同僚にいた石毛(博史)というピッチャーが先に電話で不幸話を披露しちゃったんです。もともと、さんまさんに「出たい番組があったら言ってこい」と言ってくださっていたので、「3年目はもう電話すると面倒なので出させてください」って言って、出演するようになりました。

――電話をかけていたときはどんな不幸話を披露する予定だったんですか?

結局石毛に話されちゃったんですけど、さんまさんと僕らが食事をしたその日からジャイアンツが大型連敗したっていう話をしようと思ってました。

――長年のご出演になりますが、印象に残っているエピソードはありますか?

97年に出たとき、野球ファンの女の子と電話がつながって、さんまさんがその子に「どこのチームファン?」って聞いたら、そこにいる僕が当時ジャイアンツだったのに、「オリックス」って答えたんでみんなで笑ってたんですけど、そのときに僕が「来年オリックスに行くかもしれないから」って言ったら本当に次の年にトレードでオリックスに行くという奇跡的なことがありましたね。

――もしかしたら、その発言が原因だったのでは!?(笑)

フロントが見てたかもしれないですね(笑)

いつも睡魔との戦い

――毎年出演するようになって、周囲の反響はいかがですか?

今はもう「木田と言えばトナカイ」と思ってる人が多いんで何も言われないんですけど、出始めた当時は「おまえ何やってんだ」って結構言われたりもしましたね(笑)

――最初からトナカイの着ぐるみでしたっけ?

はい。最初からトナカイですね。

――深夜のあの時間で、正直映る場面も少ない中、あの温かそうなトナカイの着ぐるみにずっと入って座ってたら、生放送中に眠くなることもあるのではないでしょうか?

睡魔と戦ってるときはしょっちゅうあります。

――実際にうつらうつらしてしまって、さんまさんにバレたことは…?

戦ってるんで大丈夫です(笑)

  • 『明石家サンタの史上最大のクリスマスプレゼントショー2018』(フジテレビ系、12月24日深夜1:10~3:10)
    「今年1年間に身の回りで起こった寂しい話」を募集し、採用された人に“明石家サンタ”が電話。より寂しい出来事を話した人に、豪華プレゼントが当たる。応募はハガキで12月19日(水)消印有効。詳細は、番組ホームページ参照。
    (写真左から)明石家さんま、八木亜希子 (C)フジテレビ

――現在は札幌にお住まいとのことですが、『明石家サンタ』で東京に来るのに合わせて、さんまさんとお食事などはされるんですか?

いや、この番組の前後はないですね。本当にこの番組のためだけに東京に来ています。

――そこまで『明石家サンタ』にかける思いというのは、どのような気持ちからなのでしょうか?

僕にとっては、さんまさん、八木(亜希子)さん、(村上)ショージさん、(松尾)伴内さんという、好きな人たちとクリスマスイブを一緒に過ごせるという大切な時間なんですよ。

――今年はさんまさんが札幌ドームで試合前に盛り上げてくれたこともあって、「お礼を込めて、ただ座っているだけじゃなく全力で頑張らせてもらいます」(日刊スポーツ電子版、12月4日付)と意気込んでいたそうですが、何かこんなことをやろうという計画があるんですか?

たぶん、その記事の伝わり方が間違ってると思います。「全力で頑張る」とは言いましたが、全力で座ってるだけですね(笑)

さんまには「感謝しかない」

――あらためて、木田さんから見てさんまさんの魅力は何でしょうか?

あまりにすごすぎて、僕が言葉で表現することはできないんですけど、本当に昔から憧れの人で、一緒に番組に出させてもらうようになったり、一緒に食事に行かせてもらえるようになったりしてからも、その憧れは変わらないんです。最近は、今年の札幌ドームもそうでしたけど、僕が独立リーグで引退するときも試合に来ていただいて、もう感謝しかないですね。

――気になる今年の木田さんグッズのプレゼントは何になりますか?

今各方面に許可をもらってるところなので、本番当日を楽しみにしていただければと思います。

――いろいろお話をお聞かせいただきありがとうございました。最後に、今年の木田さんの不幸話をお願いできれば…。

去年の今頃、さんまさんが「ドラフト会議は左手で引け」と言ったので、その通りにしたら清宮(幸太郎)を引き当ることができたんですけど、今年も左手で引いたら根尾(昂、大阪桐蔭高)くんを外したことですね。でも、外したおかげで、吉田輝星(金足農業高)という良いピッチャーが入ってくれることになったので、不幸ではないですね(笑)