『ミニオンズ』、『怪盗グルー』シリーズを手掛けた原作者と音楽スタッフが贈る、"モジャかわ"ミュージック・ファンタジー映画『スモールフット』。2018年10月12日より公開された本作でヒロインのミーチー役の吹き替えを担当するのは、声優の早見沙織である。

  • 早見沙織(はやみさおり)。1991年5月29日生まれ。東京都出身。アイムエンタープライズ所属。主な出演は『DOUBLE DECKER! ダグ&キリル』ディーナ・デル・リオ役、『宇宙よりも遠い場所』白石結月役、『アイドルマスター シンデレラガールズ』高垣楓役、『劇場版 はいからさんが通る 後編 ~花の東京大ロマン~』花村紅緒役ほか

今回は作品の魅力について、彼女にインタビュー。完成した吹き替えバージョンの作品を見たばかりの彼女に感想などをうかがいつつ、本作の魅力についてうかがった。

主役ミーゴ役の木村昴インタビューも近日公開。

プリンセス感を意識して演じた

――先ほど完成された吹き替え版の映像をご覧になったそうですね。いかがでしたか?

泣きました。歌も声も全部吹き込まれた状態のものを観て、とてもやさしいお話だと改めて感じました。実際に出来上がったものを観るとなぜか自分の声だけ浮き上がって聞こえるという現象が声優をやっていると起きるのですが、今回は物語の間にいいバランスで歌が入っていたこともあって、純粋に一視聴者として楽しめましたね。セリフだけでなく、歌でもキャラクターの説明をしていたので、観ていてワクワクしました。

――そんな本作で早見さんはイエティのひとりであるミーチー役を演じられます。ミーチーはどのようなキャラクターなのか改めて教えていただけますか?

ミーチーは村の長の娘で一族を支えていくという心構えを持ちながらも、非常に好奇心旺盛で見えない世界を否定しないという懐の広さを持っているイエティです。

  • 『スモールフット』

――ミーチーを演じるうえで意識されていることは?

最初の収録で自分がイメージしていった芝居をしたときに、「もう少しプリンセス感を出しましょう」とディレクションを受けました。なので、テンションの落差は付けつつも、一族の長の娘という立場も意識してミーチーを作っていきました。

――プリンセス感を出すためにどのような工夫をされましたか?

技術というよりかは意識的な部分が大きかったかもしれません。例えば、ミーチーはイエティたちの一部が結成しているスモールフット(人間)研究会のようなグループのリーダーなのですが、別に命令したりキツい口調で言ったりしなくても周りがちゃんと動いてくれるんです。それってきっと、気品があるからだと思うんですよ。なので、村の長の娘、ある種のプリンセスであることを意識しながら演じました。

――そんなミーチーと共感できる部分はありますか?

見えない、確立されていないものに対する好奇心は私も持っています。といっても、これと決めたことに関してどんどん行動に移すミーチーほどではありませんけど(笑)。信念に基づいて行動する彼女はとてもカッコいいですね。

――本作は吹き替え作品ですが、米国ではゼンデイヤさんがミーチーを演じられていますね。ゼンデイヤさんのお芝居は意識されましたか?

役作りをするうえでゼンデイヤさんの声マネをしようとはしなかったですが、歌いまわしやアドリブの部分など、表現の部分は拾いました。“マネ”というよりかは“寄せていく”という感じですね。セリフひとつをとっても人によって感情の起伏って違うと思うんです。どこまでテンションを上げるのか、逆に上げないのかなどの加減はゼンデイヤさんの芝居を意識して演じました。

――なるほど。それは普段アニメーションなどでキャラクターを演じているときとは違いそうですね。

もちろん表現が出るところは一緒ですが、ゼロの状態から自分で起伏を決めるのがいつものアニメーションでのアフレコなのかなと思います。今回はゼンデイヤさんのお芝居と織り交ぜつつ、自分なりの表現をするよう意識したのでいつもとは少し異なりますね。