お笑いコンビ・阿佐ヶ谷姉妹の著書『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』(幻冬舎 税抜1,200円)が、話題を呼んでいる。7月に発売された同書は、40代・独身・女芸人、そして「姉妹」と言いつつ血のつながらない2人が、2017年末まで、約6年間続けた”地味面白い”生活について書かれたエッセイ集。SNS上でも「2人の生活がかわいい」「和みすぎる」「好きになっちゃう」「人類が最終的に到達する幸せの形」ともっぱらの評判だ。
今回は、エッセイに挑戦した阿佐ヶ谷姉妹の2人にインタビュー。「地味面白さ」がいったいどこから出てきたのか話を伺っていたところ、2人の関係性が垣間見えるやりとりが飛び出してきた。
正直に地味なことを書いた
――エッセイ『のほほんふたり暮らし』では、阿佐ヶ谷での2人の暮らしが描かれてましたが、どのような経緯でこの本を書くことになったのでしょうか。
江里子:最初に連載の話をいただいたときは、「独身女性が、ある程度の年齢にも関わらず、六畳一間の空間のなかで、もう6年くらい一緒に住んでいて、その生活がどういうものなのかということが知りたいんです」ということだったんです。2人の暮らしの模様を問うということで、阿佐ヶ谷の話から仕事のことにも広げてもらっても大丈夫、ということで始めたんですが、書き始めると、転がってる輪ゴムのことや、布巾のこと、エアコンの温度のことなんかになってしまって、なかなか広げられなかったというのがあったんですけど。
美穂:いろいろ書きたかったんですけどね。
江里子:もうちょっとアラフォー女性のライフスタイルについて書きたかったんですけど、横文字を聞くと、どうしても思考が止まっちゃったりして(笑)。
――そういう輪ゴムの話がよかったです。
美穂:書き始めたらだいたい地味なことばかりになっていきました。素敵な暮らしをされてる方もいっぱいいると思うんですけど、地味な暮らしをしてる人の本ってなかなか見たことがなかったので。私たちも飾っても仕方ないしと思って、正直に地味なことを書きました。
江里子:ほんとに、お上品ぶってたって……。
美穂:たかが知れちゃうから。
江里子:だから清貧っていうかね。
美穂:もう清貧でもなくって。
江里子:確かに清く貧しくってのもおこがましいわね。
――読んでいていいなと思ったのが、阿佐ヶ谷に、いろいろやりとりをしている“ご近所さん”がいっぱいいるところで。東京でそんなことが可能なんだって……。
江里子:私たちも恵まれていて、そういう環境がなかったら、これだけ1つのところに住み続けることってなかったと思うんですけどね。
美穂:お姉さんはご近所に挨拶するのが好きで、挨拶くらいは私もするだろうけど、2人でコンビ組んでなかったら、ご近所と交流できるタイプじゃなかったですね。
江里子:私が差し入れというか、手土産が好きなもので。
美穂:それでかなり助かってます。
江里子:あら、出ました! 数少ない美穂さんの誉め言葉。今日はいいことありそう!