陰謀によって芸能界から抹殺された元トップ女優・亜梨沙(山口紗弥加)が、整形で顔を変えて敏腕マネージャーになりすまし、屈辱的な謝罪会見を開かせて復しゅうしていくという衝撃のストーリーで話題の読売テレビ・日本テレビ系ドラマ『ブラックスキャンダル』(毎週木曜23:59~)。芸能界のタブーに切り込んでいくのに加え、片岡鶴太郎がヨガを披露したり、袴田吉彦が「アパ~!」と絶叫したりと、実際の芸能ネタもイジっていく姿勢で、SNS界隈をザワつかせている。

そんな同作に、舞台である芸能プロダクションの看板女優役として出演するのが、女優の松井玲奈。多くの連ドラの主演を務め、CM契約数5本を誇る押しも押されもせぬトップ女優という役柄だが、主人公の復しゅうに加担するという裏の顔に加え、衝撃の真相があることも予告されており、不気味な存在感を漂わせている。

そんな松井に今作で演じる心境や、アイドルを卒業してから3年がたった女優業の手応えなどに加え、「芸能界ってやっぱりドラマみたいに怖いところなの?」という素朴な疑問もぶつけてみた――。

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    松井玲奈
    1991年生まれ、愛知県出身。08年にアイドルグループ・SKE48の1期生としてデビューし、15年に卒業してからは、女優としてテレビドラマ『フラジャイル』(16年、フジ)、『笑う招き猫』(17年、MBS)、『海月姫』(18年、フジ)、映画『はらはらなのか。』(17年)、『めがみさま』(17年)などに出演。18年10月からは『ブラックスキャンダル』(読売テレビ・日本テレビ系)とともに、NHK連続テレビ小説『まんぷく』にも出演している。10月17日発売の『小説すばる』では、自身初の短編小説『拭っても、拭っても』を発表。
    撮影:大塚素久(SYASYA)

ザワつきながら撮影した

――陰謀によって仕組まれたスキャンダルで芸能界から抹殺された元トップ女優の復讐劇…という過激なテーマですが、今作への印象はいかがですか?

企画書に「昨今謝罪会見が多いので…」と書いてあるのを見て、攻めてるよねと思いました(笑)。「芸能界の闇に切り込む…」という触れ込みのプロットを読ませてもらって、自分も見てみたいと思いました。

――ブログでは「新しい本が来る度にきゃーきゃー言いながら読んでおります」と書かれていましたが、どんな心境で新しい台本を待っているんですか?

楽しみでもあり、怖くもありみたいな(笑)。誰がどこで死んでもおかしくない展開が続くので、自分が死ぬんじゃないかって危機感も持ちながらやっていますね(笑)

――ご自身のセリフで、印象に残ってる衝撃的なフレーズはなんですか?

うーん、なんだろう…。言ってることが全部衝撃的で、普通だったら口にしないことばかり言ってるような気がするんですけど……第2話(10月11日放送)で「さっきの、覚せい剤でしたよね?」って言うのがありました(笑)。そんな場面に出会うわけないじゃないですか! ザワつきながら撮影したのが面白かったですね(笑)

――そんな雰囲気で撮影してるんですね(笑)

はい。作る側が、ちょっとドキドキしちゃいます(笑)

――これまでの放送で、周囲の反響はいかがですか?

見てくれた人はみんな「面白い」と言ってくれるので、うれしいです。第1話の時点では、まだ人間関係や、今後どうなっていくのかというところで終わったんですけど、楽しんでくれたみたいです。

準備万端で劇中劇に臨んだら…

――今回は「女優」という役ですが、実際のご自身のお仕事と同じ職業を演じるにあたって、どんな意識で臨んでいるんですか?

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どちらかというと、女優としての“オン”よりも“オフ”の時の話が多いので、そのコントラストがちゃんと出るほうが面白いなと思ってるんです。唯菜は、明るくキャッキャしてる部分があるキャラクターなので、亜梨沙さんがシリアスな話をしてても「でもでもでも!」みたいな感じで茶化したり、「こうだったら面白いのに~」というテンションでいたりすることで、女優の顔とのコントラストがうまく出せればいいなと思っています。

――“売れっ子女優”という部分で、具体的に参考やモデルにしてる人などはいらっしゃるんですか?

それは特に作ってないですね。できるだけ目に照明の光をたくさん入れて、キラキラしておこうと思ってます(笑)

――第2話では、女優の顔が見られる劇中劇のシーンがありましたよね。

実はあのシーン、A4用紙1枚分の台本があったんですよ。「これをやるので覚えてきてください」って言われたので、セリフを頭に入れて現場に来て、監督に「どういう風にやるんですか?」って聞いたら、「何それ? 転がって銃を向けて『動くな!ナイフを捨てろ!』って言うだけだよ?」って言われて! そのシーンに出る人、みんなザワザワしましたよ(笑)。それから、劇中劇のシーンのセリフは全部その場でつけることになりました。