「次に引っ越すならマンションがいいな!」「いや、家賃が高いしアパートがいいんじゃない?」「マンション」や「アパート」について、なんとなくイメージするものはあるかと思います。
しかし「マンションとアパートって具体的に何が違うの?」と聞かれたら、意外と正確には答えられない方も多いのではないでしょうか。
今回はマンションとアパートの違いやそれぞれの特徴、メリットとデメリットについて解説します。
マンションとアパートの違いとは
実は、建築基準法、宅地建物取引業法にマンションとアパートの定義や差異については明記されておらず、法律的には明確な違いはありません。
平成12年に施行された『マンションの管理の適正化の推進に関する法律』によって、「マンション」が定義づけられました。
『マンションの管理の適正化の推進に関する法律』第二条第一号
“イ「二以上の区分所有者が存する建物で人の居住の用に供する専有部分のあるもの並びにその敷地及び附属施設」
ロ「一団地内の土地又は附属施設(これらに関する権利を含む。)が当該団地内にあるイに掲げる建物を含む数棟の建物の所有者(専有部分のある建物にあっては、区分所有者)の共有に属する場合における当該土地及び附属施設設」“
簡潔にいうと、「2つ以上に区分けされ、それぞれに所有者がいる居住用の建物、敷地、共有施設」がマンションということです。
「アパートも同じでは?」と思いますよね。確かに、マンションもアパートも、同じ集合住宅であり、名称は建物の所有者が自由につけることができます。
同じ集合住宅であっても、多くの不動産会社では建物の構造によって「マンション」と「アパート」を区別しているようです。区別の基準の一例としてマンションは、鉄骨鉄筋コンクリート造、または鉄筋コンクリート造で建てられた共同住宅というものがあります。
マンションはどんな人におすすめ?
マンションのメリット・デメリット
マンションを鉄骨鉄筋コンクリート造、または鉄筋コンクリート造で建てられているものとすると、木造に比べて防音性が高く、高層住宅が多いのが特徴です。
そのため以下のような物件を探している方におすすめです。
・高層で景色のよい部屋を探している
・防音や、高気密な部屋を探している
もちろんデメリットもあります。
・高層住宅では停電になると断水の可能性がある
・高層階に居住している場合、エレベーターが故障すると、上り下りが大変
一方アパートは、木造、軽量鉄骨造(プレハブ造)で建てられた主に2階建てまでの共同住宅を指すことが多いようです。これらの工法は、高層の建物を建てるには強度的に向いていないとされています。そのため「2階建てくらいの小さめな建物がアパート」という、多くの方が抱くイメージにつながっていると思われます。
しかしながら、「マンション」と比べて、実は「アパート」のほうが、語源である英語の表現に近い意味があります。アパートは「集合住宅」を意味する「アパートメント(apartment)」という英語をもとに作られた和製英語です。一方「マンション(mansion)」の意味は、「豪邸」。
今でこそ「アパート=木造やプレハブ造」とイメージされがちですが、過去の歴史の中では、例えば大正時代、関東大震災後に作られた「同潤会アパート」は、鉄筋コンクリート造で、当時憧れの先進的な住宅でした。
アパートはどんな人におすすめ?
アパートのメリット・デメリット
主に、木造、またはプレハブ造で建てられるものをアパートとすると、アパートは工期が短く、狭い土地でも作りやすい造り方なので、建築費用は比較的安価になります。
そのため、以下のような物件を探している方にはオススメです。
・予算はできるだけ抑えたい
・高層の建物には住みたくない
建築費用が安く、かつ低層建築だからこそのデメリットは
・鉄筋コンクリートや鉄骨鉄筋コンクリートに比べ強度が低い物件が多い
それぞれにメリット・デメリットがありますので、好みに合った物件を選ぶことが快適に過ごせるポイントです。
まとめ
マンションとアパートには法令的に明確な違いはありません。しかし不動産業界や一般的なイメージとしては、マンションは鉄骨鉄筋コンクリート造、または鉄筋コンクリート造で建てられた共同住宅、アパートは木造、軽量鉄骨造(プレハブ造)で建てられた、主に2階建てまでの共同住宅とされることが多いようです。
ところが、建築技術は進化しており、これまでになかった木造高層ビルの建築が日本を含む世界の企業で計画されています。そのため、30年後には不動産業界の分類が変わっているかもしれません。
マンション、アパート双方にメリット、デメリットがあるので、物件を選ぶ際にはしっかりと理解することが重要です。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。