ビジネスに役立つ「世界遺産検定」をご存知だろうか。NPO法人 世界遺産アカデミーが主催するもので、旅行・観光業界のみならず、マスコミ、教育機関、国際機関などへの就職活動や、公務員試験にも活かせる文部科学省後援の検定試験となっている。10月4日、人気俳優を迎えたトークイベント「旅がもっと楽しくなる! 岩永徹也が選ぶ世界遺産ベスト3」が開催された。

  • 岩永徹也が選ぶ世界遺産ベスト3とは?

    都内では4日、「旅がもっと楽しくなる!岩永徹也が選ぶ世界遺産ベスト3」が開催された

なぜ世界遺産に興味が?

会場となったのは「H.I.S.旅と本と珈琲とOmotesando」(東京都渋谷区神宮前4-3-3)。旅行関連の書籍やアクセサリーなどが並ぶ綺麗なイベントスペースに、世界遺産ファンおよび岩永徹也さんのファンが集まった。長崎県出身の岩永さんは、2016年にテレビ朝日系「仮面ライダーエグゼイド」に出演した人気俳優。勉強家で、ここ数年、世界遺産検定にも積極的に取り組んでいる。

  • 「もともと勉強が趣味なんです」と話す、長崎県出身の岩永徹也さん。イケメン俳優は、なぜ世界遺産に興味を持ったのだろうか

まずは、世界遺産検定の概要から。第1回の検定試験は2006年に行われた。就職や進学に役立つといった実用面だけでなく、近年では趣味・教養を深める検定としても人気が出ている。年間受検者数は約3万人で、累計受検者数は20万人を突破。検定試験は全国の主要都市で年4回実施されており、グレードは4級、3級、2級、1級、マイスターの5段階に分かれている。

  • 会場で販売されていた、世界遺産検定に向けた公式テキスト

海外旅行が大好きで、時間をみつけては様々な国を旅してきたという岩永さん。仕事が忙しくなったため、これまで旅行に向けていた情熱を世界遺産検定の資格取得に傾けたそうだ。「検定の公式テキストは、海外の絶景がたくさん掲載されている写真集としても楽しめるんです」と話す表情からも、その旅行好きの性格が伺える。ちなみに既に3級を取得しており、この9月には2級試験を受検したという。その結果はどうだったのだろう?実は、合否の結果が会場に届いているらしい。用意されたサプライズに「ドキドキしますね」と苦笑い。

  • 「ドラマの撮影時間の合間に、勉強を続けてきた甲斐がありました」と笑顔で報告

結果は2級合格。満面の笑みで、来場者と喜びを分かち合った。これからも勉強は続けていく考えで、「次は1級を目指します」と宣言する。そんな岩永さんがオススメする世界遺産は、自身の出身地でもある「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」、中国の「万里の長城」、アメリカ・カナダの「クルアニ国立公園」だった。長崎については幼少期の思い出を語り、万里の長城については「建築の仕方が、自分の生き方に似ているんです」と独自の視点を披露。そして、クルアニ国立公園の魅力については「巨大な氷河が見れ、また5,000m級のとてつもなく高い山々がある。秋には紅葉が綺麗ですし、ここにしかいない珍しい動物もいます。オーロラだって見れるんですよ」と興奮混じりに紹介していた。

  • 岩永さんが紹介する世界遺産に、来場者も興味津々の様子

このあと会場ではクイズ大会が開催され、世界遺産にまつわるクイズに岩永さんと来場者が挑戦した。主任研究員 宮澤光氏が用意した「ロシアのエルミタージュ美術館で警備員として雇われている動物は?」「サン・ピエトロ大聖堂の大理石は、どこから持ってきた?」「トロイア戦争のきっかけとなった果物は?」といった難問の数々に頭を悩ます来場者たち。ここで岩永さんは「間違えても良いや。もう2級はもらったんだし」と会場の笑いをとる。

  • NPO法人 世界遺産アカデミーの主任研究員 宮澤光氏

問題はすべて2択で、正解者にはノベルティが進呈された。かくいう岩永さんも全問正解で「今日は頭が冴えていました。宮澤さんの出題するクイズが面白かったです」と振り返る。宮澤氏は「世の中に検定試験は数あれど、世界遺産検定ほど面白い検定はなかなかありません。勉強すれば誰かに話したくなるし、実際に行ってみたくもなります」と魅力を語った。そんな同氏がオススメする世界遺産は、パリのセーヌ河岸にあるサント・シャペル教会だという。その理由について「ステンドグラスが美しく、言葉を失います。是非一度、訪れてみてください」と紹介している。

  • 次回、第34回検定は12月16日に実施される

ちなみに第34回検定が実施されるのは12月16日。宮澤氏は、来場者に向けて「興味を持った分野は、勉強も捗ります。いまから勉強しても間に合います。まずは3級を目指して頑張ってみてはどうでしょう」とアピールする。また、岩永さんは「世界各国の利害関係に関係なく、良いものは未来の人類に残そう、という世界遺産の意思が好き。一生、勉強していける分野だと思っています。興味をお持ちの方がいたら、一緒に勉強しましょう」と呼びかけていた。