JR東日本は3日、新幹線の試験車両「ALFA-X」(E956形式新幹線電車10両編成)のデザインおよび開発状況について発表した。同社は「次世代新幹線開発」を進めるための試験プラットフォームとして試験車両の設計・製作を進めており、2019年5月に落成予定とされている。

  • 「ALFA-X」1号車のエクステリアデザイン(イメージ)

  • 「ALFA-X」10号車のエクステリアデザイン(イメージ)

次世代新幹線の実現に向けた試験車両の新造は昨年7月に発表。試験最高速度400km/h程度とされたほか、営業運転での最高速度360km/hの可能性を技術的に検証することも発表していた。今回はエクステリアデザインやロゴマークを公開するとともに、試験車両の開発状況についても紹介している。

試験車両「ALFA-X」では、新たに2種類の先頭車両の形状を製作。1号車(東京寄り先頭車)はE5系とほぼ同じ先頭長としつつ、「削(そ)ぎ」「畝(うね)り」「拡がり」といった、風の流れによって作られる要素を取り込んだ先頭形状に。トンネル突入時の圧力波の抑制と室内空間の確保の両立をめざした。

  • 1号車(東京寄り先頭車)の先頭長はE5系とほぼ同じ

  • 10号車(新青森寄り先頭車)は22mに及ぶロングノーズの先頭形状に

10号車(新青森寄り先頭車)は先頭長を従来より長くし、22mに及ぶロングノーズとすることでトンネル突入時の圧力波抑制をめざし、環境性能を追求。先頭形状は「台車部を覆うせり出した造形」「運転士を包み込む造形」「後方に向けて滑らかにつなぐ造形」の3つの造形で構成しているという。

「ALFA-X」の車体は周囲の色を取り込む明るいメタリックのボディとし、爽快感のあるグリーンの帯を組み合わせて清々しさを感じさせる色彩に。人々や情報がより親密に行き交う様をクロス状の側帯で表現している。ロゴマークも製作され、水平ラインと右上がりのラインに段々と明るくなるグラデーションを用いることで、新幹線らしいスピード感と、先進的な技術を採用した新幹線が明るい未来につながることを表現。「ALFA-X」の特徴であるIoT・AI等のデジタルなイメージも表したという。

  • 製作中の1号車(東京寄り先頭車)の構体

  • 「ALFA-X」ロゴマーク

JR東日本の次世代新幹線開発は「さらなる安全性・安定性の追求」「快適性の向上」「環境性能の向上」「メンテナンスの革新」の4つをコンセプトとしており、試験車両「ALFA-X」ではこれらを反映した技術も採用している。

安全性・安定性の追求のため、地震時により早く止まるための開発品として、空力抵抗板ユニットを屋根上に搭載するとともに、リニア式減速度増加装置の開発も進める。脱線しにくくさせるための開発品として地震対策ダンパ、クラッシャブルストッパも搭載。台車の異常状態を把握するシステムとして、車体・台車・軸箱などに振動センサ・温度センサを設置する。台車部の前後の形状を変更し、着雪しにくい新たな床下構造として試験も行う。

より快適な車内空間の実現をめざし、動揺防止制御装置なども搭載。環境性能向上のため、2種類の低騒音パンタグラフを搭載して試験を行う。地上設備や車両の各機器をモニタリングする装置も搭載しており、試験を通じてデータを収集し、それらを活用してCBM(状態基準保全)の実現をめざす。

  • 「ALFA-X」では2種類の低騒音パンタグラフを搭載

その他にも、将来の自動運転をめざす上で、出発から高速走行および停車に必要な加速・惰行・減速といった列車運転に欠かせない機能のスムーズな車両制御を実現すべく、基礎的な研究開発を行うとしている。