テレビ朝日系ドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~』のスピンオフで、俳優の勝村政信が主演を務める『ドクターY 外科医・加地秀樹~遙かなる教授選~』(全6話、毎週土曜 2話ずつ更新)が、15日からKDDIの動画配信サービス「ビデオパス」と「テレ朝動画」で配信される。

同作は、群れを好み、金を愛し、腹腔鏡のスキルと要領の良さだけを武器に突き進む外科医・加地秀樹(勝村)が主人公。第3弾となる今作では、加地が静岡の大学病院分院で教授選に名乗りを上げる。この教授選でのキーパーソン・富士宮小百合を演じる、女優・りょうにインタビューを実施した。

  • りょう

    りょう 撮影:蔦野裕

勝村政信は「本当に魅力的な方」

――オファーを受けたときの感想をお聞かせください。

『ドクターY~外科医・加地秀樹~』は『ドクターX~外科医・大門未知子~』とまた違って、より遊び心のある、大人の余裕を感じさせる面白い作品だと思っていました。これまで何度か共演させて頂いていますが、大好きな勝村さんとまた一緒にお芝居ができることがすごくうれしかったです。

――『ドクターY』、または『ドクターX』で加地秀樹役を演じている勝村さんの印象はいかがですか。

手術シーンなど真剣なシーンではすごく真面目な大人の色気が出ているし、それとは対照的なチャーミングなお芝居も大好きです。勝村さんは本当に魅力的な方で、楽しいです。

――そんな勝村さんと今回、共演してみていかがでしたか。

今回も私を引き出していただけるというか、お芝居の奥行きをすごく出させていただいています。台本を最初に読んだときに、「ザ・クール」という方向かなと思って、最後までそこを通そうとしたのですが、初日に勝村さんと一緒にお芝居をして「富士宮小百合の人間っぽさも出した方が面白くなるのでは」と考えがちょっと変わりましたね。とはいえ、富士宮は「鉄の女」と言われてたりと基本はクールな人なので、クールにしなきゃと思ってるんですけど、勝村さんと一緒だと「もっとこれ出来るな」と面白さを探してしまうところがあるので(笑)、そこのバランスが難しいなと思いながら、監督とも相談しながらやっていますね。

  • 『ドクターY 外科医・加地秀樹~遙かなる教授選~』(全6話、毎週土曜 2話ずつ更新)15日からKDDIの動画配信サービス「ビデオパス」と「テレ朝動画」で配信スタート。

りょうが語る演技「その場の空気感で変えていきます」

――りょうさんは演じるうえで、他の共演者から演技の影響を受けて、ご自身の演じ方も変えることはよくあるんですか。

そうですね。セリフはもちろんある程度覚えていきますが(笑)、現場に入ったときにその場の空気感で変えていきます。そこから演技を作っていきますね。

――そうなんですね。では何度も共演している勝村さんとの演技はやりやすい部分があるんでしょうか。

もちろんやりやすいですが、勝村さんが面白いことをやると私も乗っていきそうになってしまって、そこにいかないようにと(笑)。「富士宮がここまではしちゃいけない」と、そういうことを考えるとやりにくい部分はあるかもしれないです(笑)。勝村さんはすべて受けてくれる方なので、自分もチャレンジしたくなってしまう部分がありますね。本当はもっとワーッといきたい場面でも、かなり抑えてますね。

『コード・ブルー』では「勝村さんと私がおふざけ担当」

りょう

――りょうさんと勝村さんといえば、以前バラエティ番組で『コード・ブルー』(フジテレビ系)シリーズで共演した新垣結衣さんが、「勝村さんとりょうさんがふざけていて、どう扱っていいのか分からない(笑)」とおっしゃっていたことがありましたね(笑)。

その作品では勝村さんと私がおふざけ担当でしたね。私、クールな役も多くて、クールな人だとすごく思われているので、なかなかコミカルな役が来ないんですよ(笑)。私自身はクールとは程遠い日常なんですけどね(笑)。

――りょうさん自身は、クールに見られることが多いことをどう感じているんでしょうか。良いなと思う部分とそうでない部分が当然あるのではと思いますが。

若い頃はクールと思われるのがとても嫌でしたね。でもイメージから超えたお芝居がまだ自分が出来ていないからだなと自分で納得して、経験を重ねていく中でちょっとずつ違う部分も出せるようになってきたかなと思うので、今は「逆にクールでは負けない、自分の得意分野」という気持ちがありますね(笑)。なので今はクールなイメージを持たれていても、それは自分の強みかなと思いますし、逆にそれを踏まえて真逆のことをやりたいなと思います。

「コメディ作品をずっとやりたかった」

  • りょう

――クールとは真逆の役、ということですね。

私、お芝居始めたときからコメディ作品をずっとやりたかったんですよ。ただ、「顔が違う」と言われてなかなかできずにいて(笑)。ここ数年、いくつかやらせていただいていますが、やっぱりコミカルの出し方というのは、役によってまったく違いますし、いろんなやり方があります。そこについては、まだ私は始めたばかりだと思うので、もっと極めていきたいですね。

――そういったコミカルの出し方という点で、なにか参考にするものはありますか。

今まで一緒にお芝居をしてきた役者さんは、面白さの出し方が皆さん違うので、その辺はすごく参考にするといいますか、「あ、あんな感じでやってみたいな」と思いますね。

――そうなんですね。それでは最後にドラマの見どころをお聞かせください。

今回、勝村さん演じる権力に興味がなかった加地先生が、ちょっとしたことがきっかけで教授選に出馬することになるんですが、その教授選の最後の1票を握っているのが、富士宮小百合です。その1票をもらうために、富士宮に翻弄されるところで、加地先生も富士宮も人間っぽさが結構出てくるのかなと。あと、加地先生はすごく器が小さい人ですので(笑)、その小ささと「腹腔鏡の魔術師」と呼ばれる腕の良い医者としての顔という、いろんな顔が見られると思います。富士宮も加地先生のおかげでいろんな面を出せているので、そこは見ていて面白い点だと思いますね。

  • りょう

    りょう 1973年1月17日生まれ。埼玉県出身。O型。1996年、『ロングバケーション』(フジテレビ系)で女優デビューを果たすと、以後多数の作品に出演。近年は、『まれ』(NHK・15年)、『ラヴソング』(フジテレビ系・16年)、『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命- 3rd season』(フジテレビ系・17年)などのドラマをはじめ、『髑髏城の七人 Season花』(17年)などといった舞台にも出演している。